月別アーカイブ: 2021年10月

日本で最初のデパートはエコ、SDGsでも先を行く

●朝の散歩で朝靄に接し、カラッと晴れ渡った空に雪をかぶった富士山を見て爽快な気分で足立区へ。所用を済ませたあと、上野に立ち寄りました。すると、松坂屋デパートの入口に”ご不用になった衣料品・くつ・バッグを店頭にお持ちください。お引き取り1点につき「ショッピングサポートチケット(1000円分)」または、「アプリクーポン(1100円分)」を1枚お渡しします”との掲示が。なるほど、エコやSDGsのご時勢とあれば、デパートもお高く止まってなどいられません。
●そもそも、上野の松坂屋は「ギフト解体セール」の元祖です。昭和50年代初め、外商部で大量に余った「特選海苔」をバラ売りしたのが始まりで、いつしか行列ができほどの名物催事に。いまでは、中元・歳暮シーズンの1カ月ほど経つと、全国どこのデパートでもおこなわれているのではないでしょうか。会場には缶詰、調味料、油、ハム、飲料など、食品を中心に特価品がズラリと並びます。
●実はこの松坂屋、日本で最初のデパートなのです。多くの人は、「えーっ、三越じゃないの?!」と驚かれるかもしれませんが、松坂屋の創業は三越よりなんと半世紀以上も前の1611年。最初は呉服小間物を扱っていました。老舗だけあって、階段も大理石がふんだんに使われています。エレベーターの導入、洋装の制服も一番先。デパート業界では常に先頭を走ってきた松坂屋の発祥は名古屋。名古屋は「もったいない」の原点と言ってもよい地域ですが「ギフト解体セール」の発想もそのあたりに原点がありそうです。
●ちなみに、名古屋人は松坂屋のことを「まっつぁかや」と言います。「まつざかや」より、発音するのに要するエネルギーが少なくて済むからです。「そんなバカな」と思われるかもしれませんが、実際に口を動かしてみると実感できますよ。”もったいないスピリット”はふだんからごく身近なところで実行されているのです。近ごろよく耳にするキモい」「エモい」などという若者言葉も、それに似た発想から生まれたのかもしれません。
(2021/10/25)

Facebook Post: 2021-10-25T22:04:42

3年ぶりの新宿ゴールデン街は元気でした!

●新宿ゴールデン街に行きました。3年ぶりくらいでしょうか。本降りの雨でしたが、仕事の打ち合わせとあっては仕方ありません━━な〜んて言いながら、気持ち的には”singing in the rain”です。紀伊國屋書店前で待ち合わせ、一軒目は那覇出身のママが立つ店へ。打ち合わせはグラスに手をつける前にサクサク済ませ、あとはひたすらよもやま話です。この1年半で初めてとも言える本格飲み。濃い目のチューハイ(キンミヤ焼酎)3杯は効く効く😵。
●ゴーヤチャンプル、サンマの塩焼き、鴨肉のロースト、サザエの壺焼き、ほかの小皿料理もすべてGOODでした。5、6人すわれば満席のカウンターですが、アルコール消毒もビニールの仕切りも完璧。それでも1時間で切り上げ2軒目へ。こちらはゴールデン街っぽさがまったくないこぎれいなバー。京都出身の美人ママが4年前に開いたとのこと。スピリッツ系の品ぞろえが売りのようですが、ウイスキー(シングルモルト)もばっちり。
●まずは大好きなスコットランドの「LAPHROAIG(ラフロイグ)10年」から。続いては、生まれて初めて出会ったアイルランドの「TEELING ザ・リバイバル 15年 ラムカスク」に挑戦。どちらもシングルモルトで、オンザロックにしてもらったので、あっという間にさらなる酔いが。コロナ禍のおかげで(それとも年齢のせいか?)すっかりアルコールの耐性が落ちてしまったようです。
●家飲み用にとストックはしてあるのですが、私の場合、ひとり飲みは好みでなく、なかなか封を切る機会がありません。まして、ゴールデン街のような”飲め飲め空間”に足を踏み入れると、ますますその気は失せてしまいます。雨が降っていても、狭い路地を歩く人たちの足取りはいたって軽く、コロナ禍などどこ吹く風。隅々まで元気がみなぎっていました。営業時間に制限がなければ、あと2軒くらいは行けたかも。(2021/10/14)

Facebook Post: 2021-10-14T09:24:26

10年間で2000点! ゴッホは生き急いだのかも

●いまから130年ほど前、上野の不忍池[しのばずのいけ]では競馬がおこなわれていたそうです。池のまわりを周回するコースで、馬券こそ売られてはいなかったものの、鹿鳴館とともに、洋装で着飾った華族やお雇い外国人たちの社交の場として大いに盛り上がったのだとか。明治天皇も訪れたことがあるといいますから、本格的なものだったにちがいありません。
●10月8日は、そのすぐ近くに建つ東京都美術館へ、「ゴッホ展」を観に。完全予約制のため密にはなっていないものの、そこそこの混み具合でした。今回の展示は、さほど名を成していない頃からゴッホに注目し、作品を収集していたという実業家夫人のコレクション(いまは彼女の名のついた美術館に保存されているそうです)の一部48点(ほかにルノワール、ミレー、モンドリアンらの20点も)。
●ゴッホの活動期間はわずか10年ほどですが、その間になんと2千点もの作品を残していると知りました。たった1日で描き上げた油絵も展示されていましたが、シロウトの私が観ても、本当に? と思うほど重厚なできばえでした。驚いたのは、これが同じ人の手になる作品なのかと思わせるほど、筆致が大きく変わっていくこと。想像をはるかに上回る濃密な時間をエネルギッシュに生きていたにちがいありません。
●会場をあとにし、御徒町方面に向けて上野公園の中を歩いて行くと、夕日がちょうど落ち始めたところ。上野動物園で6月23日に生まれた双子のパンダの名前も「暁々」と「蕾々」に決まったようです。日暮れのあとにやってくるのは暁。コロナ禍でなかなか花開けずにいる蕾[つぼみ]も、そろそろパーッと━━そんなことを思いながら帰路につきました。(2021/10/9)

Facebook Post: 2021-10-13T13:43:10

“住めば都”を実感し始める日々

●この季節、あちこちで話題になる樹木の一つがキンモクセイ。独特の香りのわりに花のほうはおくゆかしい印象で、そのギャップが魅力なのかもしれません。わが家の玄関先にも1本植わっていて、いい香りをただよわせているのは先にご報告したとおり。
●キンモクセイは漢字で金木犀と書きますが、ならば銀とか銅はあるのかしらん? そんな疑問が頭をかすめたりしないでしょうか。これがなんと、あるのですね。先日、あまりに天気がよいので、ちょっとドライブでもと思い立ち多摩湖まで出かけました。湖といっても、1927(昭和2)年に完成した村山貯水池のこと。周辺は狭山[さやま]公園として整備され、サイクリングファンのメッカになっているようです。この日は秩父の山並みも見はるかすことができ、とても得した気分になりました。
●貯水池と公園の境界を成す石堤にふと目をやると、片隅に見慣れない花が。最近はそうしたものを見るとすぐスマホで撮るのが習慣になっており、すぐシャッターを押しました。ネットで調べると、ギンモクセイとあります。しかも、モクセイとは古来こちらのほうを指すのだとか。そういえば、これもいまが盛りの百日紅(サルスベリ)ですが、こちらも千日紅(センニチコウ)というまったく別品種の花があることを知りました。乾燥させても色褪せしないのでドライフラワーにしやすいのだとか。
●それにしても驚くのは、このひと月のあいだに、いま挙げた4つの花をすべて自分の目で見られたこと。これまで住んでいた豊島区では、あちこち探しまわっても出会うことのない木や花に、ここ東久留米とその周辺では探さずとも出会える。”住めば都”と言うか。そんな経験を重ねていくと、毎日の過ごし方が、そしてものの考え方も変わっていきそうです。(2021/10/6)

Facebook Post: 2021-10-06T21:13:18