“住めば都”を実感し始める日々

●この季節、あちこちで話題になる樹木の一つがキンモクセイ。独特の香りのわりに花のほうはおくゆかしい印象で、そのギャップが魅力なのかもしれません。わが家の玄関先にも1本植わっていて、いい香りをただよわせているのは先にご報告したとおり。
●キンモクセイは漢字で金木犀と書きますが、ならば銀とか銅はあるのかしらん? そんな疑問が頭をかすめたりしないでしょうか。これがなんと、あるのですね。先日、あまりに天気がよいので、ちょっとドライブでもと思い立ち多摩湖まで出かけました。湖といっても、1927(昭和2)年に完成した村山貯水池のこと。周辺は狭山[さやま]公園として整備され、サイクリングファンのメッカになっているようです。この日は秩父の山並みも見はるかすことができ、とても得した気分になりました。
●貯水池と公園の境界を成す石堤にふと目をやると、片隅に見慣れない花が。最近はそうしたものを見るとすぐスマホで撮るのが習慣になっており、すぐシャッターを押しました。ネットで調べると、ギンモクセイとあります。しかも、モクセイとは古来こちらのほうを指すのだとか。そういえば、これもいまが盛りの百日紅(サルスベリ)ですが、こちらも千日紅(センニチコウ)というまったく別品種の花があることを知りました。乾燥させても色褪せしないのでドライフラワーにしやすいのだとか。
●それにしても驚くのは、このひと月のあいだに、いま挙げた4つの花をすべて自分の目で見られたこと。これまで住んでいた豊島区では、あちこち探しまわっても出会うことのない木や花に、ここ東久留米とその周辺では探さずとも出会える。”住めば都”と言うか。そんな経験を重ねていくと、毎日の過ごし方が、そしてものの考え方も変わっていきそうです。(2021/10/6)

Facebook Post: 2021-10-06T21:13:18