日別アーカイブ: 2020年10月14日

60年前のアメリカも、そして今も

●モータウン(Motown)。50代後半を過ぎた音楽ファンでその名を知らない人はいないでしょう。歌手も作詞家・作曲家、バックバンド、スタッフもすべて黒人というデトロイトのレコード会社です。私も中学に入ってから大学1、2年生の頃まで、その虜になっていました。スモーキー・ロビンソン&ミラクルズ、マーヴェレッツ、テンプテーションズ、フォートップス、マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダー、ジャクソン5、スープリームスなど、ラジオの音楽番組からはいつも彼(女)らの声が聞こえてきたものです。
●そうした並み居る大スターの生みの親ベリー・ゴーディ.Jrの語りを軸にモータウンの歴史を描いたドキュメンタリー映画『Hitsville: The Making of Motown』を観ました。モータウンサウンドの全盛期は1960年代ですが、それはベトナム戦争や公民権運動の高まりと重なり合います。彼らが3カ月に及ぶ国内ツアー(なんとバスで!)に出たときのこと。南部ではトイレも水飲み場も黒人は別、レストランに入ったとたん警官から頭にピストルを突きつけられ震え上がったといったエピソードも出てきます。バスでのツアーを余儀なくされたのも、黒人を泊めてくれるホテルがほとんどなかったからで、ベッドで眠ることができたのは2晩だけだったか。
●それにしてもアメリカというのは不思議な国です。野球やフットボール、バスケなどスポーツでも音楽でも黒人が優れた才覚を発揮し、そのおかげでさんざん楽しませてもらっているのに、白人はなぜ素直に感謝・尊敬できないのだろうかと。ましていまは、黒人の貢献度も当時よりはるかに高いはず。映画の中でもスティーヴィー・ワンダーが「音楽に黒人とか白人とかの区別はないんだけどね」と語っていましたが、誰だってそう思うのではないのでしょうかね。そう言えば、昨年のラグビーW杯に出ていたアイルランドとスコットランド、ウェールズには黒人選手がいませんでした。アングロ・サクソンというのは黒人が嫌いなのかなあ。
●今日行ったのはグランドシネマサンシャイン。昨年7月オープンの大きなシネコンですが、建物を探し当てるまで15分ほど、あたりを徘徊してしまいました。その前に食べたのが青江三奈の歌にも出てくる「美久仁小路」の古びた定食屋でしたから、頭がサッと切り替わらなかったのかも。まして、食べたのがサンマ定食とくればね。でも、おいしかったですよ。

Facebook Post: 2020-10-14T18:43:04

1年前の熱気はどこに? ラグビーの復活を願う今日この頃

●1年前の昨日(10月13日)は、日本のラグビーファンにとって、もっと言うなら日本という国にとっても、輝かしい歴史を刻んだ日でした。そう、ラグビーW杯でスコットランドを倒し、決勝トーナメント進出を決めたのです。史上初の快挙でした。5年前南アフリカに勝つのを現地で目の当たりにしたときも全身が震えましたが、昨年はそれ以上でした。南ア戦は遠く離れたイギリスの地でしたからスタンドにいた日本人は2千数百人。でも去年は横浜で、観客も6万8千を数えました。熱気の差は歴然で、その後も何日か興奮が冷めなかったほど。でも、あれから1年、今年はラグビー🏉の「ラ」の字もありません。
●それもこれもコロナのせいなのですが、今年から日本のラグビーの位置づけは変わるという期待はすっかり希薄に。半月ほど前からスタートした大学ラグビーも、W杯以前に戻ったような感じがします。こうなると、年明けから始まるトップリーグを待つしかありませんが、それもコロナ次第。ニュージーランド、オーストラリア、またフランスでは国内のリーグ戦もおこなわれているというのに、なんともさびしい限りです。
●にわかファンの目からしても、ラグビーはあらゆるスポーツの中で「密」の度合いが格段に濃いのではと思えるでしょう。実際そのとおりで、フォワード(8人)どうしで組み合うスクラムはもちろん、ラック(敵味方でボールを奪い合う状態のうち、ボールがグラウンド上にある場合)やモール(ボールを選手が持っている場合)も、3〜10数人の選手が上を下へ、前に後ろに、タテ横斜めに入り乱れてプレーしているのですから、誰かが感染していたら…と考えると怖くなります。
●そうしたことへぬ対策を講じた上でニュージーランドやオーストラリアは、従来とは方式を変えてではありますがリーグ戦を実施。相変わらずハイレベルの試合を見せてくれました。先日おこなわれた両国のテストマッチも素晴らしい内容で、テレビ画面からもスタンドの熱気が伝わってくるほど。日常生活の中にラグビーが定着しているんだなぁと思わずにはいられません。W杯の盛り上がりで日本もそうなるきっかけをつかんだのですが、いまやほとんど元の木阿弥に。そんな中で希望を託したいのが来年1月に始まるトップリーグ。先の両国や南アから一流プレーヤーが加入したチームが覇を競い合うので、いまから楽しみです。それまでに収束とは言えないまでも、コロナ禍がなんとか落ち着くといいのですが。

Facebook Post: 2020-10-14T07:51:41