月別アーカイブ: 2018年11月

老師、ますます意気軒高!

2018年11月24日
昨日、成田に帰って来たのが夕方。家に戻り、まる1日も経っていないのに、今日は名古屋です。高校3年生のクラス会に出るためですが、呼びかけ人の一人に名前を連ねているので、欠席するわけにはいきません。というわけで、かなり強引なスケジュールになってしまったのですが、それでも日中(ランチタイム)ですから、まだ助かりました。ちなみに、家人もこの日の夜は小学校のクラス会でした。

来年で米寿を迎えるS先生は今年もまた矍鑠とした姿で来られました。朝起きたら太極拳と体操をし、午前中は読書、午後は近所を散歩、夜はゆっくりするという毎日を過ごしておられるとかで、それが元気の秘訣だとおっしゃられると、とても説得力があります。毎度のことながら、帰りがけに配ってくれるプリントには、ユーモア川柳が、先生の訳した英文とともに書かれていました。英語を教えていましたから、当然かも。「減る記憶 それでも増える パスワード(Memory gets worse but I’m stuck with more passwords than ever before.)」。なるほど。

一次会は中華でしたが、二次会も喫茶店と、最初から最後まできわめてヘルシーな内容で、さして疲れも感じずに戻ることができました。それにしても、行くたびに感じることですが、名古屋はここ10年ほどで大きく様変わりしつつあります。とにかく、人の多いのには驚くばかり。前は中国・韓国・台湾・香港からの観光客が目立ちましたが、いまはもうマレーシア、タイ、欧米系、インドなど幅がぐんと広がっています。さらに、日本全国からも老若男女を問わず、多くの人が訪れているようで、「そんなに行くところがあったかなぁ?」という思いが強い私からすると、不思議な感じがします。

 

尾道からアナハイムまで、36時間ぶっ通しで起き続ける

2018年11月17日
今日は尾道から広島空港に向かい、そこから成田空港、成田からロサンゼルスという長い長い旅が待っています。その前に、尾道駅周辺の商店街を回ってみることにしました。以前、取材で訪れたときは、商店街のほんの一部しか見られなかったのですが、今日は奥の奥まで足を延ばします。

予想していたよりはるかに長く続いており、しかもいまどきの地方都市には珍しく、ほとんどの店がきちんと営業しています。土曜日なので、人通りも多く、なかには、行列のできている店も。昨日の「フォーラム」で市長が語っていた“活気ある尾道”を実感させられました。こうなるまでには10数年かかったといい、相当苦労されたようです。それがいまどんどん実っており、そうなると住民も元気になります。それどころか、ここなら商売も成り立つというわけで、よそからやって来て店を開いている人もいるようです。これで駅の全面改装が終われば、ますます多くの人がやって来るのではないでしょうか。

  

しかし、その尾道と広島空港とを結ぶシャトルバスが一時廃止になりそうになったこともあると聞き、驚きました。地元の要望でなんとか1日2往復は走っているようですが、早朝だけのため、今回の私たちは利用できません。結局、山陽本線の電車で白市【しらいち】という駅まで行き、そこからタクシーで空港へ。

機内で11時間以上過ごしても、まだ11月17日は続いています。久しぶりに乗ったシンガポール航空ですが、昔と比べるとサービスの質がかなりダウンした印象は否めません。以前このブログでシンガポールのリッツ・カールトンホテルでの一件について書きましたが、それとほとんど同質の“上から目線“的な客あしらいになってしまっているのです。というか、「情」が欠けている気がします。どのCA(キャビンアテンダント)もマニュアルに忠実なサービスをしているものの、いい意味でそこから一歩もはみ出ていません。

ぐっすり眠りについている客の席にも、朝食を持ってきたりするのがそのいい例。声をかけられても返答しなければやり過ごすのでしょうが、寝ぼけまなこで「はい」と応じようものなら、「シートを元に戻してください(お手伝いはしてくれます、もちろん)」「テーブルをセットしてください」ということになり、食器がズラリと並べられます。まだ半覚醒状態の家人も、ワケが分からないまま返事をしたばかりに、目の前に食べ物が。そうなると、手をつけないわけにも行きません。これがおいしければまだしも、たいしたことのない味なので、そのうちだんだん腹が立ってくるというわけです。

ロスの空港でレンタカーを借り、1時間ほど走るとアナハイム近くのホテルに到着。今回もまた「Ayres」です。別段義理があるわけでもなんでもないのですが、この界隈に泊まるときはたいていこのブランドになってしまうのです。もちろん、ほかにも Hyatt  Sheraton、Hilton、Marriott など、名の知れたホテルもあるにはあります。ただ、そこにゆっくり滞在するわけでもない、夜露をしのげさえすればそれでOKという場合は、この程度のホテルで十分。アメリカのホテルなので部屋は広々としていますし、値段もリーズナブルです。難を言えば、朝食がきわめてプアといったことくらいでしょうか。

チェックインしたのは午後3時過ぎ。といっても、のんびり休めるわけではありません。今夜は、学生時代からお世話になっているHさん(昨年8月に亡くなられた)の長男(でも末っ子)Nくんの結婚パーティーがあるからです。いちおうきちんとした格好で行かなければということで、ホテルで着替えを済ませひと息着いたころ、Hさんの未亡人Lさんが迎えに来てくれました。最初は自分でレンタカーを運転していくつもりでしたが、パーティーとなるとアルコールは避けられません。そのことに気を使わってくださったのです。

会場は、小高い丘の上にあるレストランのパーティールーム。夜景が素晴らしく美しい、最高のロケーションでした。アメリカの結婚パーティーは形式張らないので、時間もゆったりしています。いちおう6時スタートになってはいましたが、実際に始まったのは7時過ぎ。しかも、キホン手作りですから、会場の飾りつけはほとんど、家族総出(Lさん、Nくんの二人の姉夫妻、親しい友人など)で約1カ月かけて作ったそうです。音響などは業者にお願いしていたようですが、それ以外は全部、当日手分けして持ち込み、組み立てたり並べ置いたり……。

結局、お開きは夜11時で、そのあとの片付けを手伝ったりしたので、会場を出てホテルに着いたときは午前0時を回っていました。日本との時差が17時間ですから、36時間ほとんどぶっ通しで起きていたことになります。飛行機の中で3時間ほどウトウトしていたのでかろうじてもちましたが、なんとまあ長い1日でした。

42年ぶりの「倉敷アイビースクエア」はいまなお新鮮

2018年11月16日
「北前船寄港地フォーラム」参加のため、昨日から倉敷に泊まり、今日は尾道です。

倉敷を訪れたのは1976年以来ですから、なんと42年ぶり。このときは新婚旅行でした。当時大人気だった倉敷アイビースクエアというホテルに泊まったのですが、今回は会合がそのホテルだったので、宿泊も同じです。42年の間にどの程度リノベーションされたのかはわかりませんが、私たちの泊まった部屋はツインで16平方メートルという、いまどきのシティホテルにはあり得ない狭さ。それでもホテル全体はかつてと同じ雰囲気で、いまなお新鮮さを保っていました。

工場の跡をホテルに改装するというアイデアはいまどきそれほど新鮮に感じませんが、40数年前は画期的なことで、メディアにも大きく取り上げられました。敷地と工場はもともと倉敷紡績(クラボー)のものですが(現在はどうなっているのかわかりません)、その発想自体が秀抜だったように思えます。というか、「儂【わし】の眼には十年先が見える」が口グセだったと伝えられる創業者・大原孫三郎のDNAが偉大としか言いようがありません。

尾道での会合は午後からなので、今日の午前中はホテル近くの「美観地区」を歩いて回りました。その名のとおり、この一帯は味わいのある建物、川と橋、ヤナギの並木などが美しい空間を構成しています。ここまで維持するのにどれほどのお金を費やしているのだろうかと考えると、自治体はもちろん、地元住民や企業・商店主らの努力のほどがしのばれます。

42年前の記憶はほとんどなく、覚えているのは「大原美術館」とその並びにある「カフェ・グレコ」くらいというのは、我ながら情けない話。朝9時半にホテルを出て、最初、旧街道の入り口で地図を広げてあたりを見ていると、地元のボランティアガイドさんが話しかけてきます。よく舌の回る高齢の方でしたが、売込みっぽくない話しぶりに魅かれ、30分コースで案内をお願いしました。

 

とてもよく勉強している様子で、どこを案内してもらっても、話によどみがありません。あまりの情報量に圧倒されそうでしたが、なんとか話について行きました(でも、頭はパンクしそう)。お別れするとき名刺をいただいたのですが、何十人かいるボランティアガイドのトップの方のようでした。

倉敷から尾道までは1時間ほど。お天気もよく、車窓には瀬戸内独特のおだやかな景色が広がります。JR尾道駅はいま改装中のようでしたが、駅を降りると目の前は尾道水道。すぐ手が届きそうな先に向島【むかいしま】が見えます。海岸沿いの公園もきれいに整備されており、この町がここ数年、観光で多くの人を集めているのも当然かなという気がしました。商店街も活気が感じられ、歩き甲斐があります。名物の尾道ラーメンを食し、「フォーラム」の会場へ。午後はずっとお勉強でした。

日本対オールブラックス@味スタに大興奮!

2018年11月3日
前週に続き、今週もラグビーの“ドリームマッチ”を観に行きました。JAPAN vsオールブラックス(ニュージーランド)戦です。このカードは2011年のワールドカップ@ニュージーランド以来。予選プールでしたが、このときは13トライを奪われ、7対83の惨敗を喫しました。それから8年が経過し、日本代表がどこまで力をつけたのかをチェックできる楽しみな一戦です。

会場の味の素スタジアムには、新宿から京王線の特急で乗り換えなしで行けます。最寄りの飛田給【とびたきゅう】駅に臨時停車してくれるからですが、これは助かります。さすがドリームマッチだけに、観客の出足も早いようで、1時間半前に席に着きましたが、すでにかなりの入り。試合中に、観客数は43751との発表がありました。もちろん、国内でおこなわれたJAPANの試合では史上最高です。

でも、味スタでのゲームは、まだまだ改善の余地が多々あるように感じました。ひどいのはオフィシャルプログラムの販売場所。私たちの入ったゲート近くにたった2カ所しかないので、買うのにたっぷり5分は歩く必要があります。会場の外に、オフィシャルグッズと一緒でかまわないので、専用のテントでも設けるのが常識でしょう。もともとこの種のプログラムは値段も高いのであまり売れないのかもしれませんが、それにしてもファンへの配慮なさすぎです。

ただ、荷物チェックは前回より大幅に改善。スコットランド戦(2016年6月25日)のときは、まったく無意味な行列を強いられましたが、今回それはありませんでした。もっとも、前回は天覧試合でしたからね。

 

試合のほうは、最初、日本が相手のキックをチャージし、そのボールを押さえて幸先よくトライできたのですが、そのあとしばらくの間はオールブラックスのペース。密集でのボール出しが思うように行かず、ペナルティーを重ねたこともあり、前半だけでトライを5本奪われました(日本は3トライ)。

ただ、先週横浜でワラビーズと戦った「1軍」よりは迫力に欠ける感じは否めません。そのときのスコッド23人中22人がヨーロッパに遠征してしまったのですから、これは致し方ないでしょう。それでもさすがはオールブラックス。日本は後半17分からの10分間で立て続けに4本のトライを許し、最終スコアは31対69。これまで5戦して合計4トライしか奪えていなかったのが、この試合だけで5トライを取ったのですから、これはもう大健闘です。