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コアラがこんなに可愛いとは!

2017年4月30日

今日のメインはコアラです。ホテルから歩いて10分、ブリスベン川に架かるヴィクトリア橋を渡ってすぐの桟橋から10時に出発。途中、両岸の景色を楽しみながら1時間15分で到着です。ブリスベンの人口は230万、これは名古屋市とほぼ同じ。土地があり余っている感じのオーストラリとあって、街のつくりにも余裕が感じられます。

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川岸には最初のうち高層マンション、途中から中低層マンション、30分を過ぎたころからは小ぶりの一戸建て、目的に近づくころには大豪邸と、都市の住宅事情をそのまま反映した感じの景色が。でも、建っているマンションも住宅も、こぎれいというかおしゃれというか、日本人が目にしたら、こんなマンションに住めたら、こんな家を建ててみたいといった感じの設計がされています。それもヴィクトリア様式あり、コロニアル風あり、モダンありと、多種多彩。

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それでも、船内に流れる案内を聞いていると、FLOODという言葉が何度となく出てきました。ブリスベンというところはとにかく洪水が多いようです。ひどいときは、私たちが乗っているクルーズ船が5週間止まったとか、被災した地域の救助・復興に3カ月かかったとか、そのためにボランティアが何万人も出動したといった内容でした。川の両岸はたしかにきれいです。でも、川はやはり川。自然の摂理には勝てないというか、何年かに一度は大きな洪水に襲われるのですね。ブリスベン川は地図を見るとすぐわかりますが、くねくねと蛇行しているので、洪水が起こりやすいのでしょう。

さて、「コアラ・サンクチュアリー」です。さほど広大ではないのですが、いまから80年ほど前、当地の資産家が寄贈した土地に作った、まさにコアラの天国。敷地の半分はユーカリの林で、どこを歩いてもその香りが。ここには100頭を越えるコアラがほぼ放し飼い状態で、のんびり暮らしています。

観光客がコアラを抱き、それを写真に撮ってくれるというのが最大の売り。私たちも20ドルを支払って列に並びました。係員の指示にしたがって手を腰の前に差し出すと、そこにコアラが乗っかります。しかもこちらにしがみつくような感じで、いうならばユーカリの木の代わりを務めるわけですが、おどおどした様子はありません。そこをスタッフがカメラでパチッ。こちらのカメラでも撮ってくれます。

 

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カンガルーのエサやりもできるのですが、こちらは予想どおり、飽食気味なのか、振り向きもしないカンガルーがほとんど。昼寝の邪魔をしないでくれよという顔を見せるカンガルーもいました。

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もう一度コアラがいっぱいいるエリアに行くと、こちらはちょうどランチタイムだったのか、ユーカリの葉っぱにむしゃぶりついています。それも1頭、2頭、3頭……。いちばん多いときは5頭のコアラが並んで食べていました。これまでコアラといえば1頭だけ、それも寝顔しか見たことがなかったのですが、これにはもう大感動。さして興味もなかった私も、カメラのシャッターを押しまくりでした。

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ブリスベンというのはサイズがちょうど手ごろというか、ゴミゴミ・ゴチャゴチャしておらず、とても快適な街です。温暖な気候のせいもあるのでしょうが、人々のハートも温かく、観光案内所やホテルのスタッフもカフェの店員も都会的な親切みが感じられました。ベタベタではなくほどよい距離感が心地いいですね。夕食はホテル近くのシンガポール料理で済ませました。

スタジアムがなんとも立派。これでは日本も……

 

2017年4月29日

成田を前日の夜8時半に出て9時間、オーストラリアのブリスベン空港に到着したのは今日の早朝6時半。快晴、しかも時間のわりに温かいのは、多少なりとも赤道に近いせいでしょう。ホテルには7時半ごろ着きましたが、部屋はまだ空いておらず、時間をつぶさなくてはなりません。というわけで、すぐ近くのクイーンストリートモール(Queen Street Mall)までぶらぶら歩いていきました。

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DSC01913カフェでお茶を飲み、近くにあるたいそう立派な観光案内所へ。パンフレットをめくったりパネルをじっと見ていたりすると、「何かお分かりならないことはありますか」「どこかご希望の場所はおありですか」などと、やさしく声をかけてきます。なんとなく方針が決まり、相談すると、とても親切に対応してくれました。結局、明日(4月30日)は船に乗って、「コアラ・サンクチュアリー」に行くことに。実を言うと、こちらに来る前、旅行プランをあれこれ練っていたときは、対象外のスポットでした。ただ、家人の「コアラを抱いてみたい」というひと言で方針転換、予約を入れ、その場で支払いも済ませました。

DSC01947そのあとは近くの「シティーホール(市庁舎)」に。ブリスベンはヨーロッパと違い、中世以来のなんとか……といった類の観光スポットはありません。「シティーホール」にしても、19世紀の終わりごろに作られた建物です。それでも、「歴史の浅い国ほど歴史を大切にする」とはよく言ったもので、いまも大事に使われているようです。1階にはブリスベンでいちばん古いカフェがあり、3階には美術館・博物館も。いちばんの“売り”とおぼしき「時計塔」も無料で見学できます(ただし予約制)。

というわけで1時間後に予約し、そのまわりをぶらぶら。中央駅や旧郵便局など、どれも宝物のような扱いで、きちんとメンテナンスされています。中央駅は現役ですから、電車が出たり入ったりしており、改札システムも日本並み。気温は予想していたよりはるかに高く、日差しも強烈で、サングラスを忘れてきたのが悔やまれます。

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DSC01948「シティーホール」まで戻り、オーストラリで最古の手動式エレベーターに乗って「時計塔」のあるフロアーに。そこからは階段(あらかじめ「28段あります」と知らされていたので安心です!)で昇ります。ただ、最上階からの景色はいささか期待外れでした。何も障害物がなければ川面が観られ、「水の都」を実感できたのでしょうが、中高層のビルがびっしり立ち並んでいますから、どちらを見てもビルしか見えません。

DSC01952そのあとホテルに戻り、やっと空いた部屋で荷ほどきを済ませました。私たちのホテルはかつての州大蔵省(Treasury)の建物をそのまま使った歴史的な建造物。その姿が格好いいので予約したのですが、カジノも併設されています。Treasuryとはもともと宝とか金庫という意味。カジノで遊んで文字どおり宝が手に入ればいいのですが。

 

 

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ホテルの対岸は文化・芸術エリアとでもいうのでしょうか、美術館や博物館、ギャラリー等がズラッっと並んでいます。その中の一つ「クイーンズランド博物館」に。世界でいちばん大きなゴキブリが展示されているというのですが、最初はなかなか見つからず、係員に尋ねると、席を立ってそこまで案内してくれました。いました、いました! よく見ると、なんとなんと生きているではありませんか。でもちょっと……ですね。

 

再び橋を渡り、ホテルから歩いて10分ほどのところにあるハンバーガー専門店(ブリスベンでNo.1だそうです)で軽く腹ごしらえ。今夜はスーパーラグビーの観戦です。一方は、昨年シドニーで観戦したゲームの片割れワラタ-ズ(本拠地はシドニー。マイケル・フーパー、バーナード・フォーリーなどオーストラリア代表がごろごろ在籍。昨年の対戦相手はNZのチーフスでした)。相手はここブリスベンが本拠地のレッズ(日本代表のトゥイヘンドリックも在籍)です。今シーズンはオーストラリアのチームが全体的に地盤沈下していて勝てていないのですが、今日の試合はどうでしょうか。

 

DSC01977タクシーで10分ほどでサンコープスタジアムに到着。外観はそれほどでもないのですが、中はもう素晴らしいのひと言! こういうスタジアムがオーストラリアやNZにはゴロゴロあるのです。その点日本は「いまだし」。強くなるには形から、といってもユニフォームではなく、さらにその1段階前、グラウンドです。これが日本の場合、極端に遅れています。野球場は全国どこの町に行ってもあちこちあります。サッカー場も最近はどんどん増えています。でも、ラグビー場となると……。

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キックオフは午後7時45分。一進一退の好ゲームで、最後は29対26、アウェーのワラターズが勝ちました。後半残り7分まで3点差で負けていたワラターズが2本のPGを決めて勝ち越し。フォーリーのキックが百発百中。それが勝因です。ブリスベンのファンは残念無念の巻だったでしょう。

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客の入りは半分弱といったところでした。スーパーラグビーは来シーズンから3チーム減るのですが、その原因の1つがオーストラリアのチームがいまひとつパッとせず、観客動員も少ないことにあるようです。もっともスタジアム自体が大きい(サンコープスタジアムは52500人収容)ので、半分入っていないと、かなりさびしい印象がしてしまいます。

ホテルに戻ってからカジノで軽く遊んでみました。カジノといっても、ラスベガスやマカオとはまったく違います。去年お邪魔したシドニー、メルボルンのそれとも違います。なぜか──。もともとカジノとして作った建物ではないので、大きな空間がないのです。日本のホテルの中宴会場サイズが3、4つあり、あとは皆小宴会場ばかり。それでもけっこうお客が入っていました。場所柄か、中国人の客が3分の2。あとは地元の人でしょうか。最低の掛け金が1セントからですから、健全に遊べました。

西池袋にブルックリンがやってきた!

2017年4月22日

「朝食は1日のほぼ最高のパートでした。前日の夜を通り抜け、新しい1日に向かって心と体をシャキッとさせる、摩訶不思議といってもいい感覚がありました」。アメリカ南部ヴァージニア州出身のエドゥナ・ルイスという黒人女性料理家の言葉のようです。いいですね~、そのとおり! おいしい朝食を食べれば、1日が元気に心地よく過ごせるのは間違いありません。

IMG_0652そんな思いを抱いている人たちをターゲットにした「egg」というおしゃれなレストランが昨日、西池袋にオープンしました。場所は池袋消防署の隣、「としま産業振興プラザIKE・Biz」(旧勤労福祉会館)の1階です。建物の名前が変わるとテナントまで変わる──わからないでもないのですが、ニューヨーク、それもおしゃれで高感度な人たちが多く住んでいるというので最近人気急上昇中のブルックリンに本店がある店となると…。

 

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本店の創業は12年前。オーナーの友人が営むレストランが営業していない時間帯(朝から昼)に、アメリカ南部の伝統的な朝食メニューを提供するスタイルでスタートしたのだとか。

南部の朝食といえば、卵、牛乳、砂糖、小麦粉をふんだんに使った料理。パンケーキ、フレンチトーストにフライドエッグかスクランブルドエッグかポーチドエッグ+ベーコンかソーセージかポテトを添えてといった感じでしょうか。でも、いちばん力を入れているのは店名に象徴される卵料理。卵大好きの私としては期待がいっぱいです。

私と家人と下の孫の3人で、待つこと30分。それほど大きくはありませんが、すっきりした内装の店内は、いかにも新開店といった空気。初々しさが感じられます。アメリカからやってきたオーナーとシェフがときおり店内の様子をチェックしたりして、緊張感もあります。

IMG_0657この店の「一番人気」というエッグロスコ。「デニッシュ生地で作った食パンの真ん中に卵を落とし、ホワイトチェダーチーズで焼き上げた」料理です。これにキャンデーベーコンなるものを添えてもらいました。味ですか? 感動とまではいきませんが、朝の気分を思い切り変えたいときにはいいかも。

ところで、冒頭の言葉は、入ってすぐ正面にある黒板に書かれていたもの。でも、それを実行するには、「うーん」と言いたくなるようなお金を払わなくてはならないのです。

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夏日の東京から、冬に戻った酒田・秋田へ

2017年4月20日

前日(4月19日)午前11時発・山形県の庄内空港行きANA便に乗りました。自宅から最寄り駅まで乗ったタクシーにはクーラーが入っていました。東京はこの日まで3、4日、最高気温が25℃を超える夏日が続き、ぽかぽかです。ただ羽田では、「庄内空港行きの便は、現地の気候状況によっては羽田に引き返すことも……」という条件付きの運航。にわかには信じがたいのですが、仕方ありません。

着陸の15分前、奥羽山脈の上空を飛んでいたときはきれいな青空で、出羽三山を覆っている残雪の白さがまぶしいほど。ところが、空港近くになると猛烈な強風です。着陸寸前には風で大きく煽られ、大丈夫かな……と一瞬不安に。しかし、パイロットの腕は確かで、ほとんど衝撃なしにドンピシャリの着陸を決めてくれました。でも、窓の外を見やると雨がぽつりぽつり。予報どおりの天候です。

迎えに来てくださったMさんと食事をし、そのあと空港のやや南にあるホテルまでインタビューに向かいました。途中、横風でがんがん煽られます。2時半にインタビューを終え、酒田市内の取材へ。もうこのころになると気温はぐんぐん下がり、風も強まる一方。

酒田の港近くにある日和山【ひよりやま】公園は、風速20~25メートル。吹き飛ばされそうな状態でした。気温もおそらく3℃前後でしょう。カメラを持つ手もかじかんでいました。それでも前日満開になった桜は凛としています。ひとひらの花びらも飛ばされずにいるのです。ただ、花見客はゼロ、店も開いていません。

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IMG_0612江戸時代の船宿兼倉庫兼販売店といった感じの鐙【あぶみ】屋も、明治期まで栄華をきわめた「山王くらぶ」も、市の資料館を訪れたときもどしゃぶりの雨と強風。チケット売り場の人も恐縮至極というか、「よくもまあ、こんな天気のときに来てくださって……」といった感じで応対してくれました。

酒田から秋田県にかほ市に向かう国道7号線の途中、遊佐【ゆざ】町あたりでしょうか、両側が桜並木になっているところを通過。花は残念ながら半分以上散ってしまっていましたが、満開だったらさぞかし……と思わせます。Mさんが店を開いておられるにかほ市象潟【きさかた】のあたりでは、松尾芭蕉の歩いた奥の細道を車でたどりながら往時をしのび、さらに同市の北にある「道の駅ねむの丘」に立ち寄った(9年ぶり!)あと秋田まで。

さて、今日(4月20日)は朝食後、新幹線の出発時間まで多少時間があったので、ホテル近くの久保田(秋田)城がある千秋【ちあき】公園に足を運んでみました。城と桜というのは黄金の組み合わせというか、全国各地で見られる光景です。まして満開が近いとなれば……と期待しつつ行ってみたのですが、桜はまだ7分程度。週末からが見ごろといった感じでした。昨日ほど寒くなく風もおさまっていたのが救いでした。

桜はいまひとつでも、園内にはいい場所があちこちにあります。露店が軒を並べているのが興ざめといえば興ざめでしたが、まあ、これはご愛嬌でしょうね。

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いささか期待外れの「琉球海炎祭」でした

2017年4月8日

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いよいよ今晩は、今回のメインイベント「琉球海炎祭」。那覇市内でまだ足を踏み入れたことのないエリア波の上宮近くにある三重城【みえぐすく】小船溜にある桟橋から船に乗って、会場の宜野湾まで船でひとっ走り。年間を通じて全国で最初という触れ込みの花火大会を海の上から楽しむというものです。

6時半ごろ那覇を出て宜野湾沖合まで45分ほど。8時10分前になって、ようやくスタートしました。ただ、連続してバンバン打ち上がる花火大会を期待していると、うーんということになってしまいます。陸上に特設舞台のようなものがしつらえられ、そこにすわりながら楽しむというのが本筋のようで、今回は安室奈美恵とかが歌を披露していたようです。MCの進行に合わせているので、その様子がわからない海の上では、待ち時間がやたら長く感じられました。

DSC01885花火の打ち上げは1時間ほどで終わりましたが、迫力的にはいまひとつ。また、その間ずっと海上に浮かんだままなのでビミョーな揺れがあり、あまり心地よくありません。ふだんはシュノーケリングとかホエール・ウオッチングに使われている小型船だそうですから、こういう用途にはそもそも不向きなのかも。もっと大きな船で、それなりに広い甲板に大きなテーブルがあって、船内ではビールや軽食が売られ、それをつまみながら……などと勝手に思い込んでいたこともあり、欲求不満が残りました。天気がよかったのがせめてもの慰みかも。

「首里そば」の上をいく「骨汁定食」=980円なり!

2017年4月7日

沖縄も今日でちょうど1週間。前回は「首里そば」についてお伝えしましたが、今回はその名も「骨汁定食」。この店では、名物のそばを作るのに、豚骨に玉ねぎ、泡盛を加えて煮込んだ出しをベースにしているそうですが、それに豚のスネ肉を入れショウガを加えてさらに6時間グツグツ。大ぶりの丼に入って供されますが、まずそのボリュームにビックリ。上から下まで骨、骨、骨。たっぷりの汁の中に、バラバラになった肉、肉、肉。汁はすべてコラーゲンかといった感じもします。ショウガが効いていて、ひとすすりするだけで元気が出てきて、食べ終わったころには顔の肌もつるつる(ウソです)。これで980円は、安~い!

骨汁定食 before

骨汁定食 after 

付け合わせのごはんも、沖縄の定番=じゅうしぃでなく白飯なのは、味付けが濃厚(でも、しつこくはありませんよ)だからでしょう。ご覧のとおり、久しぶりの完食。これほどの大ヒットメニューに遭遇できたのは偶然。前日(4月6日=“新聞をヨム日”)目にした新聞広告──それも、1面のコラム左横という地味な場所で見つけたのが気になり、行ってみたおかげです。

ちなみに、この店の名前は「御殿山(うどぅんやま)」。見た瞬間「おー、沖縄にもうどんの店があるのか」と思ったのですが、琉球方言では「御殿」と書いて「うどぅん」と読むんですね。それと、「そば」は「すば」と言います。「4・6=読む日」に限らず、新聞、読みましょう!

まだまだ“知らない沖縄”が……

2017年4月4日

1日から沖縄に来ています。2日までは「寒気の来襲で真冬並み」だったのですが、昨日からは沖縄らしいポカポカ陽気。今日は「4月下旬並み」の暖かさでした。久しぶりにドライブを楽しむことにし、ここ数年インバウンド需要で大いに盛り上がっているという南城市と、隣接する糸満市へ。

最初に行ったのは知念岬公園。太平洋を見渡す高台にあり、眺望抜群。海岸べりなので、心地よい風が吹いています。パラグライダーの名所らしく、空を気持ちよさそうに飛んでいるのがうらやましい!

浜辺の茶屋3次に訪れたのは、静かな海岸に建つ「浜辺の茶屋」。ここは大当たりのスポットでした。目の前が砂浜というロケーションで、3階建ての古いロッジ風の建物で、3階が地上と同じ高さでルーフバルコニー。2階が屋根付きの普通な感じの店舗、階段を降りた1階はビーチの上にテーブルとイスが並んでいます。

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奥武島のてんぷら屋

次は、7~8年前に行ったきりで、すっかりご無沙汰している奥武島【おうじま】。目標は、本当から橋を渡ってすぐのところにある刺身とてんぷらが名物の魚屋さん。前は屋台に毛が生えたくらいのちっぽけな店だったのが、いまでは3階建てのビルに変身。1階が即売店、2階はレストランになっています。名物のてんぷら売り場にはなんと行列が! メモ帳に記された品名に数を書き込む、近代的な(?)スタイルになっています。

さらに、海に近いところにも別の3階建ての真新しい建物を発見。中に入ってみると、あるお店のおかみさんが、「おかげさまで2年前にここ(建物)ができまして……」とうれしそうな顔で話してくれました。見ると、隣もその隣も、台湾、韓国からやって来た感じの人たちばかり。いやはや、インバウンド恐るべしです。

 

ジョン万次郎上陸の地奥武島からさらに西へ走り、次に訪れたのは「ジョン万次郎上陸の地」。前こちらを走ったときはなかったスポットで、これも1、2年ほど前に記念碑が建てられたばかりのようです。ジョン万次郎が10年間のアメリカ生活を終えて帰国する際、鎖国を敷いていた日本に直接戻るのを避け、当時は独立国だった琉球を選んだのだとか。そして、無事上陸を果たしたのが糸満市大度【おおど】浜だったそうです。

そこからさらに西へ、ひめゆりの塔を過ぎ南に下ると喜屋武【きゃん】岬があります。沖縄本島最南端の地──と思ったのですが、スマホでググってみると、「東南東約1.4km離れた荒崎が実の最南端」と。この一帯は沖縄戦の激戦地で、アメリカ軍から逃げたきた住民・日本軍は自決し最期を遂げたとのこと。慰霊塔が建っているのはそのためなんですね。最北端の辺土【へど】岬は観光客がいっぱいですが、こちらはなぜかまばら。270度といった感じのパノラマビューで太平洋と東シナ海が見渡せる素晴らしい場所なのですが……。

岬から車で5分、やはり海岸の崖っぷちにある具志川城跡もユニークでした。石灰サンゴで作られた石垣が海城であることの証。よくもまあこんな場所に城をと思わずにはいられません。

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糸満市の中心部に入ると、マイナーながらもあちこちに観光スポットがあります。漁業がメインのこの町の氏神を祀る白銀堂。小ぶりな神社ですが、素晴らしい色彩の屋根が印象的です。本殿が背後の山にくっつくように建っているのは神社の伝統的なスタイルでしょうか。

糸満 山巓毛山巓毛【さんてぃんもう】は、糸満の海近くにある展望台のような場所。太平洋戦争中は、防空監視所として使われていたのだとか。レーダーなどという近代的なものは、こんなひなびた場所にはなかったようです。ただ、軍事的にはかなり重要な場所ではないかと思いますが。

最後に行ったのは高嶺小学校の敷地の中にある南山【なんざん】城址(歴史的にはこの逆でしょうか)。すっかり荒れ果ててしまっていますが、往時は威容を誇っていたのでしょう。墓所とおぼしき横長の巨大な石とガジュマルの群生が印象的でした。

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「イッペー」の花城跡の向かい側にある高嶺中学校の敷地に咲き誇っていた黄金色の花の美しかったこと。この季節、沖縄のあちこちで見かけますが、通称「イッペー(イペー)」といいます(正しくは、ノウゼンカズラ科の落葉高木で、コガネノウゼンまたはキバナノウゼン)。もともとはブラジル原産の落葉樹(国花でもあるそう)=イペー(Ipe)だそうで、琉球方言で「いっぱい」「とっても」を意味する「いっぺー」と一体化してしまったようです。