2015年9月24日
今日はホテルでの朝食をパス。昨日目をつけておいた町中のカフェで食べました。値段は12ポンド少々しましたが、コーヒーもまっとうでしたし、文句なしです。イギリスはロンドン以外、キホン路上駐車がOK(1時間までならだいたい無料)なので、クルマは店の近くに止めておきました。
今日は1日かけてコッツウォルズをドライブ。最初はこの地域最大の町サイレンセスターです。チェルトナムからはクルマで40分少々。ローマ時代からある古い町だそうで、教会(Parish Church of St John Baptist)が町の中心にあります。コッツウォルズ地方の町や村はいずれも、かつては毛織物産業で栄えたところが多いらしく、現在の人口規模に比べると異常なほど多くの教会があるといいます。この教会もたいそう立派でした。
クルマは町の中心部にある公営の有料駐車場に止めようと思ったのですが、ちょうどランチタイムと重なってしまい、なかなか空きがありません。そこで路上駐車に方針を転換してゆっくり走っていると、中心にわりと近いエリアの道路に、今朝と同じような駐車スペースがあったので、そこに止めました。人口が9000余というわりには、こじゃれた店がいくつも並ぶ町をぶらぶらし、クルマを止めたところまで戻ったのですが、看板に「RESIDENTS ONLY」とあるではありませんか! なんのことはない、住民専用の駐車スペースだったのです。時間も短かったのでおとがめなしに済みましたが、注意しなくては……。
次の目的地テトベリーには、30分足らずで着きました。クルマは中心部の公営駐車場に(料金は1時間まで50ペンス)。ここもまた歴史が古く、8世紀から続く町です。羊毛の取引で栄えた時代は町全体が豊かだったことがつぶさに感じられます。アン王女やチャールズ皇太子の別荘もあると、ガイドブックには書かれていました。アンティークを扱う店が数多くあり、古くからある聖メアリー教会の庭には、古いお墓がズラリ。1655年に建てられというマーケットハウスの建物が可愛らしかったですね。町の中心にほど近いところにあるカフェで軽くランチをしました。
今日3つ目の訪問地はバイブリーです。有名な19世紀の詩人・芸術家ウィリアム・モリスがこの村を訪れたとき、「イギリスでもっとも美しい村」と絶賛したといいます。旅行ガイドにも「屈指の人気」とありますが、人口はわずか600人ほど。ところが、ここがまた出色の美しさで、評判にいつわりはありませんでした。
クルマを路上に止め、川沿いに中心部まで3、4分歩くと、古めかしい、でも由緒ありげなホテルがあり、そのはす向かいが「養鱒場」。3ポンド50ペンスの入場料を払って中に入ると、みごとなまでに美しくすがすがしい雰囲気。中にマスを養殖している池がいくつもあり、そこにカモや白鳥も同居しているのですが、なんともいえない落ち着きがあります。家人など、すっかり虜になってしまったようです。
ガイドブックに「ハチミツ色の美しい石造りの家並み」とありましたが、まさしくそのとおりで、14世紀に建てられて以来綿々と続いている小さな家、水車小屋などがすぐそばを静かに流れる小川とあいまって、なんともいえぬのどかな光景を形作っていました。そのあと小川沿いの遊歩道もまわってみたのですが、どこをどう区切っても、絵になりそうな風景です。そういえば、数年前訪れたベルギーの「ミニヨーロッパ」のイギリスエリアにも、この村の「アーリントン水車小屋」のミニチュア模型が展示されていたのを思い出しました。帰りがけに、先ほど見かけたSWAN HOTEL(1650年創業)でアフタヌーンティーをして、クルマに戻りました。
帰りは30分ほどでホテルに。途中は「これがコッツウォルズだ~!」っぽい景色が続きました。ときおり雨も降りましたが、なぜかクルマを降りるとやみ、それにも助けられた感じがします。ただ、気温はやや低かったようで、このエリアの観光もいまどきがラストチャンスかもと思った次第。
ホテルでしばし仕事を片付け、8時半近くになって夕食へ。といっても、近くにはパブのようなところしか見当たりません。それでもなんとか、おいしいものが食べられそうな店を見つけました。入ってすぐのところにあるカウンターで飲み物を注文し、キャッシュオンデリバリーでビールを。できるだけビターなのをと頼んだら、バーテンがグラスを3つ取り出してくれます。それぞれに異なるビールが少しだけ注いであり、味見しろというのです。ひと口ずつ飲み、最初のグラスに決めました。銘柄を聞くと「AM:PM」との答えが。
ソーンブリッジ(Thornbridge)醸造所の製造で、度数は4・5%とそれほど強くはないものの、ミント風味が利いています。マンゴー、タンジェリンなど、フルーツ系のホップビターが特徴で、「AM:PM」という名前のとおり、朝から1日中飲んでも抵抗を感じさせないビールという気がしました。
食事を注文しようとメニューを差し出すと、そちらは地下でといわれたので、飲み物を持って階段を下りると、おしゃれな雰囲気のレストランスペースがあり、びっくり。家人は「YAKITORI PLATE」、私は「イベリコ豚のグリル」を注文。これがかなりのレベルで、大正解の店選びでした。