まだまだ分厚い、オールブラックスの壁

2013年11月2日

ラグビーのジャパン対オールブラックス(NZ)のテストマッチを観戦しました。

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2年前のワールドカップの予選プールで対戦して以来の対戦ですが、短い間にジャパンが長足の進歩を遂げたのが感じられ、とてもうれしかったです。

 

 

とはいっても、まだまだ手が届くところではありません。

しかし2年前のオールブラックスにとって「赤子の手をひねる」ような相手だったのに比べれば、中学生くらいのレベルには成長したのではないでしょうか。

 

 

それにしてもオールブラックスはまったくスキがないというか、したたかというか、どんな形容詞を並べ立てても表現できない、ほとんど神様のようなチームです。

 

 

 

そのオールブラックスを相手に、最初の20分間と最後の5分間は「おーっ」と思いました。ドラマチックだったのは最後の5分間ですが、これは一方的に負けているほうが最後に来て必死になることでよく見られるシーンなので、驚くにはあたりません。

 

 

Photo_3 ジャパンの成長を実感させられたのは最初の20分間です。気合いが入っていたこともあるでしょう。

 

ワールドカップのときは、戦う前からもう小さく見えましたが、今回はそういう印象はありませんでした。低いスクラムで相手を押し込みボールを奪うこともありましたし、相手が密集に寄ってくるより一瞬早くパスを回す場面もありました。

互角というと語弊があるかもしれませんが、NZに「これは2年前とは違うぜ!」という印象を持たせるに十分な内容でした。

 

 

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それでも、NZのあげたキック(ハイパント)を日本がキャッチし損ねた一瞬を逃さずボールを奪い取り、あっという間の初トライ。そのあとNZの反則で得たPGを2本決め、7対6になってからは、NZの真剣度は一気にアップ、結局は地力の差がそのまま数字にあらわれた(54対6、NZの8トライに対しジャパンはPG2本のみ)のではないでしょうか。

 

タックルのあとのブレークダウン(ボールの争奪)ではやはり後手にまわってしまうのがいちばん大きい差のように思えます。それでも、ときおり見せてくれた連続攻撃は2年前にはほとんどなかっただけに、その分は成長したといえるでしょう。最後の5分間の攻防も見ごたえがありました。

 

 

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でも、いちばん印象に残ったのは、絶対にトライを取らせまいとするオールブラックスの強烈な執念です。大学生でただ一人出場したウィングの福岡がゴール左隅に飛び込む寸前、2人がかりでラインの外に押し出したタックルのすごさは、さすがとしかいいようがありません。 

 

でも、なんだかこれからがとても楽しみになりました。日本でのワールドカップ開催は2019年ですが、まずは2年後のロンドン大会で、予選プールを勝ち上がれるかどうか。それが実現すれば、19年の大会もかなり期待できそうです。

 

今日観戦した20454人のファン全員がそう思ったことでしょう。