“ついでに”がハマったときの幸せ感 PART1

●今月末で終わってしまう「あしたのジョー」展に、ギリギリで行くことができました。高2のときに連載が始まり、大学に入ってからも熱読した名作。編集者になって、原作者の高森朝雄さんと絵を描いていたちばてつやさんの双方と仕事でご一緒し、不思議な縁を感じたりもしていました。
●会場の世田谷文学館、最寄り駅の京王線・芦花[ろか]公園とも初めて。東京23区で初の地域総合文学館としてオープンしたのは1995年。以前からユニークな企画展を何度か開いていたので気にはなっていたのですが、なかなか足を運ぶ機会がありませんでした。それにしても、会場内は私とほぼほぼ同じ年齢層、それも9割以上が男のおひとりさま。もちろん、連載当時の「少年マガジン」の読者でしょう。ふんだんに展示された原画を熱心に見入る、というか読み入る姿は半世紀前と変わりません。
●ジョーの絵だけでかなりお腹いっぱいになりましたが、これだけで終われないのが私の性[さが]。何をするにも、どこに行くにも、”ついでに”=コスト・パフォーマンス&タイム・パフォーマンスを考えてしまうのです。生来の貧乏性なのか、それとも名古屋で育ったせいなのか。ちなみに、マンガ喫茶もスーパー銭湯も、発祥の地は名古屋です。1カ所で2つ以上のことができるのは名古屋人の最大の喜びといっても過言ではありません。
●さて、今日の”ついでに”その1は、すぐ近くの蘆花恒春園[ろかこうしゅんえん]。徳富蘆花が生前暮らしていた家屋と庭園をベースに、東京都が公園として整備したものだそうです。日本史の教科書で代表作とセットで覚えただけの蘆花ですが、それではあんまりなので、ちょっとだけのぞいてみようと。蘆花記念館を見学して外に出ると、これが予想以上に素晴らしい公園でした。いまの季節、各種の桜はもちろん、菜の花、チューリップ、パンジー、山吹などどれも皆満開で、「気持ちい〜い!」のひとこと。広過ぎず狭過ぎずのサイズも、70歳を越えた身にとってはありがたいです。これだけでも大満足でしたが、今夏はもう一つおまけが。そちらは明日ご報告します。

Facebook Post: 2021-03-26T19:38:00