激しい夕立の中で盛り上がった「琉フェス」

2013年7月14日
それはいまから42年前の1971年7月17日、いまの東京ドームがあるその場所にあった後楽園球場を思い出させました。猛烈な雷雨に雹【ひょう】まで落ちてくる中、GFR(グランドファンクレイルロード)の野外ライブコンサートがあったのです。ロングヘアー、Tシャツ、ジーンズという観客が9割かた。グラウンド上に設けられたアリーナ席にいた人はもちろん、スタンド席ももう全身びしょ濡れになりました。“wet to the skin”とはまさにこのことかと納得。それより、メンバーの楽器や、特設ステージに所狭しと置かれた音響機材にいつ雷が落ちるのではと、正直怖かったです。

GFRのときは観客が4万人だったことを思えば、今夜の「琉球フェスティバル」@日比谷野音の4千人はちゃちい感じもしますが、雷鳴の怖さはまったく同じ。始まって1時間を過ぎたころから30分ほど続いたでしょうか、それほど凄い降りでした。ただ、だれ一人帰る人はいません。この季節の野外ライブですから、皆カッパやポンチョ持参。上半身が濡れるのはなんとか防げたのですが、足もとは完全アウト。靴の中までびしょびしょになりました。半月ほど前の「うたの日コンサート」とは対照的な天候ですね。

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でも、オープニングの「きいやま商店」も、「よなは徹」も「大工哲広」も「パーシャクラブ」も、ずぶ濡れの私たちを十分に楽しませてくれました。また、途中、元世界フライ級チャンピオンの具志堅用高も飛び入りで、盛り上げに貢献しました。相変わらずのとぼけたキャラが冴えていました。Photo_3

さえなかったのは、12年ぶりの登場という触れ込みだった、沖縄音楽界の大立者「的」存在「喜納昌吉+チャンプルー」。もう彼の時代は“終わった”というのが実感です。トリだったのですが、観客のノリもいまイチ。あれだけの豪雨にもめげずにいたのに、「喜納昌吉」には水を差された感じで、テンションが下がってしまった人が多かったように感じます。

去年までは正真正銘の大立者「登川誠仁」がいたのですが、今年3月、帰らぬ人になってしまったため、トリにふさわしいミュージシャンが正直いなかったのかもしれません。「大立者」と「大立者的」とではやはり違います。来年からは、構成というか、ステージメイクの考え方を少し改める必要があるかもしれません。でも、サラ・ブライトマンよりは楽しめましたよ!