雨の日のうっとうしさを吹き飛ばしてくれた映画

●「雨に泣いてる」━━柳ジョージ&レイニーウッドではありません。数日前、そんな経験をしたのです。10月7日夕刻から10日の夜半まで、4日間ぶっ通しの雨でいいかげんクサクサしていたとき1本の映画に思い切り号泣、心が洗われました。自粛期間中に録画しておいた『グリーンマイル』という作品がそれ。公開は1999年で、その年のアカデミー作品賞に選ばれています。
●原作は、好きな小説家の一人スティーヴン・キングの同名の作品(1996年)。全6巻というボリュームで、買いはしたものの結局ツン読に。3年後に映画化されたとき、ならばと思ったのですが、それもかなわず、気がついたら四半世紀の歳月が。しかしコロナ禍のおかげで、ようやく触れることができた次第。
●大恐慌下の1932年、アメリカ南部ルイジアナ州の刑務所、それも死刑囚収容棟が舞台です。トム・ハンクス演じる主人公はその執行吏。そこで出会った一人の黒人死刑囚が処刑されるに至るまでのさまざまな出来事がファンタジックに描かれています。願望と現実、優しさと残酷さ、執念と諦めのせめぎ合いとでもいうのでしょうか、人間世界の不条理を次から次へ突きつけられ心を揺さぶります。めっちゃ泣けるのですが、単なる感動とも大きく異なり、なんとも不思議な気持ちにさせられました。監督のフランク・ダラボンは、これも名作『ショーシャンクの空』で一躍名を馳せましたが、いかにも彼らしいテイストが全編に行き渡っています。
●この日の雨はひどく来客も宅配便の配達もなかったので画面に完全集中。3時間を超える長編ですが、あっという間でした。気がついたらコーヒー2杯と亀田の柿の種3袋がカラに。「心が洗われれば、まあいいか」と、無理やり自分を納得させました。「雨の日と月曜日」は映画に限りますね。

Facebook Post: 2020-10-12T13:58:26