城もいいが、やっぱりカニが──鳥取

2013年1月27日
 神戸に1泊し、今日は鳥取に来ました。新神戸からは2時間足らずで、意外と近いんだなということを実感します。予報では終日雪となっていたのですが、大外れで、えらくいい天気です。雪は26日の夜に降ってしまっていたようで、砂丘は真っ白でした。砂の上より雪のほうが歩くのはよほど楽で、いい運動になりました。真冬なのに太陽さんさんという日本海はなんとなく意外で、昨年のいまごろ見た秋田から青森にかけてのそれと同じ海だとはとても思えません。

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 砂丘の入り口近くにその名も「砂丘会館」という観光客向けに施設があるのですが、ここで食べたランチの「イカ丼」は予想以上にグーでした。

 砂丘を観たあと、タクシーで鳥取城址に移動。運転手さんの話では、「城があったのは山の上。クルマはふもとまでしか行けませんから」とのことです。たしかに、タクシーを降りたところは急な山を見上げる場所で、これは大変だと心配したのですが、実際はちょっと上るだけで済みました。門をくぐってきつい階段をゆっくり上っていくと、平らなところが。二の丸御殿があった場所のようで、そこまで行っただけで、市街地は十分に見下ろせます。たしかに、山の上にも小さな櫓はあったようですが、殿様や上級家臣がいたのは二の丸御殿とその近くだけだったようで、ほっと胸を撫でおろしたしだい。

 L1050020 下へおりると、真っ白い洋館がありました。なんでも大正天皇が行幸されたときに宿泊施設として建てたものだとか。「仁風閣」というのですが、たいそうお金をかけてこさえたようです。洋風の庭園もあり、よくもまあこんなところに……と驚きました。もとは殿様の庭園があった場所だったとのことで、それを建て替えてつくったそうです。

 城内にはこの県随一の名門・鳥取西高がありました。ちょっとのぞいてみると、あちこちに城の石垣があるのでまたまたびっくり。鳥取城そのものはいまはもうその姿をとどめていないのですが、これだけ石垣があるのを見ただけで、その規模の大きさがうかがい知れるというものです。

 城址をあとに、かつての城下町に向かって歩き始めると──。なんともいえない落ち着きがいまでも感じられます。とくに城に近いあたりは上級家臣や中級家臣の住まいだったらしく、敷地もけっこう広くとってあるので、空間的にも余裕があります。そのせいでしょう、街全体からなんともいえない落ち着きが感じられるのですが、人通りも、その分少ないです。

 いまでも高層の建物が少なく、駅までゆっくり歩いて30~40分ほどの一帯では、どこにいても城が見えたことでしょう。江戸時代の城は、最高権力者である殿様の住まいですから、人々の意識にはいつもそれがあったはずで、いい悪いは別にして、当然「秩序」感覚がはぐくまれていったにちがいありません。鳥取県民の保守的な気質も、存外、そんなことによって生まれたのかも……という気がします。L1050012

 ホテルに戻りひと休みしてから、夕食に。ホテルの外にもいくつかいい感じの店はあったのですが、冬の鳥取とくればやはりカニでしょう。ちょうど雪も降り始めていたので、ホテルの地下にある店でカニしゃぶを食べることにしました。例によって写真は撮り忘れてしまいましたが、やはりおいしかったです。

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