「ヨーロッパ」を感じさせてくれるケベックシティー

2012年10月13日
 今年2度目のカナダ。今回はケベックシティーまでやってきました。日本を出発したのは10月12時午前0時5分のANA便。この時間ですから、ロサンゼルス到着は前日(11日)の夕方になります。なんだかとても得した気分ですが、その分は帰りに“返済”しなくてはならないので、トータルとしては同じ。ただ、日本からの便はこれしかないので、入国手続きがあっという間に終わります。しかも、出発したらすぐ眠りに就くことができ、体も楽で助かります。11日の夜は空港近くのホテル泊。

 12日はほぼまる1日かけての移動。ロサンゼルス発10時19分、ワシントン(ダレス空港)着18時18分、18時59分発の便でケベックシティーです。わずか40分しかありませんから、降りたところから航空会社差し回しのクルマで次の便が出るところまで移動。「なるほど、だからこんな短時間でも乗り継ぎができるんだ」と納得。到着は20時54分。ホテルにチェックインしたのはもう10時近くでした。夕食はホテルのすぐ近くのカフェで軽く済ませたのですが、そのわりには内容もけっこうよかったです。

13_2 今日はケベックシティーがどんな町なのか、市内をひととおり観てまわることにしました。お天気に恵まれ、暑いくらいです。風もさほど強くなく、絶好の観光日和です。ほとんど車が走ることもない落ち着いた通りを5分ほど行くと、広場に出ます。近くのスケートリンクで使われた氷が道端に積んであったりするものですから、思わず、雪でも降ったのかと誤解したり。13_3
Photo それを通り過ぎると、シタデルと呼ばれる城塞の城門に着きました。最初この町を支配していたのはフランスですが、それを奪い取ったイギリスが作ったものです。海に向かって何門もの大砲が並んでいるのですが、いかにも堅固な要塞といった感じで、ここがとても重要な場所であったことがよくわかります。

 これまでカナダというのはなんとも不思議な国だと思ってきました。アメリカのすぐ隣にあって、ベタで国境を接していながら、その趣きがまったく違うからです。かつての宗主国イギリスの匂いがアメリカより濃厚にただよっているからでしょうか。アメリカではそうしたものをほとんど感じません。話されている英語も、アメリカ英語とは一線も二線も画しています。

 ところがケベックとなると──。ハナからイギリスの匂いがありません。完全にフランスなのです。言葉も看板も、建物も、そして人もまごうことなきフランスですから、カナダのほかの地域とは勝手が違います。
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 カナダのこの地域がフランスの支配下にあったのは1534年から1763年までの約230年もの長きにわたります。その後イギリス領になったものの、1867年「自治領」となることで実質的な独立を勝ち取るまではおよそ100年。これでは、フランスの影響のほうが強いのは当然かもしれません。

Photo_3 城壁の上を歩いて行くと、川(セントローレンス川)──といっても海のように大きいのですが──に到達。こんどは川に沿って作られた遊歩道を歩きました。「ケベック」はフランス語で「狭い水路」という意味だそうですが、川の対岸の町レヴィやオルレアン島がすぐ近くに見えます。それでも、川幅はかなりありますし、何より深そうです。城塞の下、川辺にある港にえらく大きなクルーズ舟が接岸していたのを観てもそれがよくわかります。

 それにしても、こじんまりした街、とくに中心部は城塞があるなど、いかにもヨーロッパといった感じですから、すぐ隣のアメリカから手軽に「ヨーロッパ」を味わいにくるには格好のロケーションといっていいでしょう。ニューヨークから1時間ちょっと、時差もなしとなればよけいです。どうりで、アメリカからやってきたとおぼしきお年寄り夫婦の姿が目立つはずです。

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Photo_4  城塞から海辺のほうに急な坂道を降りて行ったところが「ロウワータウン(lower town)」と呼ばれるエリアです。ケーブルカーもありますが、まずは「首折階段」という階段で。この界隈はお洒落なショップ、カフェ、レストランがずらり並ぶ「プチ・シャンブラン」といいます。Photo_5
 そんなレストランの一つで食事を取り、紅葉をながめたりしながらブラブラ歩くと、あっという間に時間が経っていきます。家の壁いっぱいに描いた絵も面白かったですし、小さな教会では結婚式に出くわしたり、飽きることがありません。ようやくケーブルカーで上に戻ったときはもう夕方近くになっていました。

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 上がるとそこは「アッパータウン(upper town)」。四方はすべて城壁に囲まれているのですが、そういう感じはしません。いかに城塞が広大かということがよくわかります。第2時世界大戦の最中、チャーチルとルーズヴェルトが会談したという老舗ホテル「フェアモント・ル・シャトー・フロントナック」がその中央にドーンと構えているのですが、それほど圧迫感はありません。Photo_9 そのまわりにある広場や公園にはリスがいたりなど、とても100万都市とは思えないような落ち着きがあるのです。

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 ようやく散策を終えてホテルに戻ったのは6時をまわっていました。ひと休みして夕食を取りに再び街中へ。しかし、この夜は中華で大失敗! その昔アメリカのソルトレークシティーというところでやはり同じような経験をしたことがあるのですが、今回はそれ以上でした。中華は世界中どこに行っても食べられ、しかも大外れすることはない(最悪でも、「可もなく不可もなし」)のですが、このときばかりは、とにかくベタベタに甘い味付けで辟易しました。「こんなひどい中華、食べたことない!」というほど、ひどかったのです。

 しかし、ケベックシティーの中華はそれ以下でした。フランス文化圏なのに首をかしげましたが、まあ、こんなこともあるとあきらめました。ベルギーのブリュッセルで食べた中華が期待を裏切っておいしかっただけに、それと逆の結果だとけっこう落ち込みます。

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