2012年8月16日
「フラワーカーペット」のテーマが「アフリカ大陸」だったからというわけではありませんが、今日はブリュッセルの南東、テルヴューレンというところにある国立中央アフリカ博物館に行ってみました。トラム(44番)に乗ったのですが、途中の道筋はほとんど森林公園のよう。車の量が一気に減るせいか、ホント郊外といった印象です。トラムそのものも味わいのある乗り物ですが、こうした中を走っていくと、いっそう落ち着きが感じられますね。電停を降り数分歩くと立派な博物館に着きました。
19世紀の終わりごろ、ベルギーの国王レオポルド2世は、アフリカのコンゴ(旧国名はザイール、現在はコンゴ民主共和国)を私有地化しました。ベルギーにとっては唯一の海外領土です。いまでもダイヤモンドと金の生産地として有名なコンゴから生まれる富を国王は握ろうとしたのです。
1897年、ブリュッセルで万国博が開催された折り、現地から運んだ楽器や工芸品などの芸術作品、動物の剥製(キリンの剥製もあるとのことでしたが発見できませんでした)、岩石など貴重な品々を人々に見せ、コンゴがどんなところなのかを広めるために作ったのがこの博物館です。その後、国王からコンゴを買収したベルギーはコンゴを植民地化しましたが、1960年に独立を果たしています。さすが国王が命じて建てさせたルイ16世様式の建築物ですから、えらく立派。いまもアフリカの調査研究の世界的な中心で、その有数のコレクションから「アフリカ文明の殿堂」とも呼ばれています。
見学を終えると、またトラムに乗って「KAMO」という日本料理店に行きました。こちらに来てまだ一度も日本メシを口にしていなかったので、どこかないかとネットで探し見つけた店です。学生街のような場所の一角にこじんまりとした店があり、主に地元で暮らす日本人が出入りしているようでした。もちろん、舌の肥えていそうなベルギー人もいましたよ。久しぶりの日本料理にほっこりした気分になり、ランチの定食をペロリ平らげてしまいました。おいしかったです!
ホテルまでトラムで戻り、最後の夜はホテル近くの居酒屋のような店で夕食。長かったベルギーの旅もようやく終わりです。「フロリアード」は、思っていたような内容ではありませんでしたが、想定外の「フラワーカーペット」と出会うことができ──しかもその前日の作業まで間近に見られたのはラッキー以外の何ものでもありません。