2012年2月23日 カルガリーからイエローナイフまでは、エドモントン経由で2時間少々。ただ人口2万人ほど、18世紀に毛皮の交易で生まれたこの町は金鉱の発見で発展し、最近はすぐ近くのダイヤモンド採掘でまずまずにぎわっているようです。ただ、観光資源といえばオーロラだけですから、空港といっても建物が一つあるだけ。飛行機の扉に吹きさらしのタラップがつけられ、そこを降りていくだけです。
バゲージを受け取ってタクシーでホテルまで行くつもりでしたが、なんと届いていません。日本ではめったにないことでしょうが、海外ではさほど珍しいことではなく、私たちもこれで4回目の経験です。次の便で届かなければ翌日ということで、あきらめてホテルに。 エリザベス女王も泊まったことがあるというのですが、実際着いてみれば、「ホンマかいな」と首をかしげたくなるようなところでした。考えてみれば、こんな小さな町に女王陛下が何をしに来たのか、そもそも疑問ではあります。
それはともかく、さっそく町に出てみると、フランクリン通りという名のメインストリートが。何軒かあるおみやげ屋さんはどこも皆、けっこうな人でした。さすが、ウールの防寒用帽子や手袋など、北極圏仕様というか、本格的なものが売られています。
早々にホテルに戻ると、この夜から3夜連続のオーロラ観賞のための「防寒キット」がホテルに届いていました。頭のてっぺんから足の先まですべてを覆うわけですが、すべて身に着けてみるとたいそうな重さです。サイズもピッタリでしたので安心しました。そうこうしているうちに日没の時間が。ここまで緯度が高くなると、3時過ぎには日が完全に落ちてしまいます。逆に、夏場は夜9時を過ぎてもまだ明るいということになります。
氷点下20度という寒さの中、町に出てみました。こんな鄙(ひな)にはまれといってもいいフランス料理店で早めの夕食を済ませ、出発に備えます。私たちが泊まっているホテルからオーロラ観賞ツアーに参加するのはどうやら30人ほど。全員が日本人です。
出発時刻の少し前に移動用のバスがやってきました。といっても、スクールバスのお古というか、ごくごく簡素なバスです。ヒーターもついていません。全員、防寒キットで完全武装。口をきいただけで、冷たい空気が口から入ってきそうですから、ほとんどが黙っています。
オーロラを観賞するのはホテルから雪道を30分ほど走っていったところにある、「オーロラビレッジ」という施設。広い敷地の中に200人ほどは入れそうな大きめのコテージがあり、そこでは食事をしたりお茶を飲んだりできるようになっています。 また専門家が待機していて、さまざま案内をしてくれます。その周囲に、10~30人ほどが入れる小型のキャビン、テントから10数カ所、点在しています。
オーロラはいつ出てくるかわかりないので、コテージ、指定されたキャビンもしくはテントで待機していることもできるのですが、そうもいってはいられません。ほとんどの人がとりあえず外に出て、適当な場所にすわったり、歩いたりしながら待っています。すると、突然出てきたりして大騒ぎになります。
今年はオーロラの当たり年だそうですから、運さえよければすぐにでも観ることもできるそうです。でも、運に恵まれないと、3夜どころか1週間張りついていてもまったくお目にかかれないということもあるとか。さて、さて、どうなるでしょうか……。