2011年11月4日
11月2日から1回目の鹿児島取材をスタートしました。鹿児島に着いた夜は、市内随一の繁華街・天文館で、鹿児島最大の行事「おはらまつり」の前夜祭を見学。花電車を観るなんて、何十年ぶりのことでしょうか。そして、昨日は一日中、おはらまつり漬けでした。
それにしても、鹿児島市内を走る路面電車の軌道には芝生が植わっていて、えらく風情があります。路面電車というのは近ごろ全国的に注目されていますが、都会に暮らす人間にとって落ち着きを取り戻させてくれる貴重な装置であることを実感しました。その軌道に芝生があるのですから、ますます存在感があります。先だって訪れたウィーンもプラハも路面電車が市内を縦横無尽に走っていましたが、芝生までは見られませんでした。
さて、3日目の今日は、天文館のホテルから鹿児島中央駅まで路面電車で移動し、そこから甲突川近くにある公園を抜け、町のあちこちに立つ幕末から明治にかけての偉人たちの銅像や記念碑を見ながらの取材です。 最後、天文館の近くにあるフランシスコ・ザビエル公園に行くと、そこには凛々しい顔つきをしたザビエルの像がありました。公園の向かい側には教会もあります。ほんの数日前プラハのカレル橋で見たザビエルの銅像と引き比べながらじっくり見てみると、なんだか不思議な気持ちになりました。
おもしろかったのは、天文館から空港に行くバスで、空港到着の直前、道路に「チェコ村」と記された看板を見つけたことです。「なんでまた、こんなところにチェコがあるわけ? ひょっとしてザビエルつながりか?」と思ったのですが、横にすわっていた家人が、つい最近使い始めたスマートフォンでインターネットにアクセスして調べ、画面を見せてくれました。それによると、「焼酎を中心とした鹿児島の文化と、チェコのピルスナービール文化を融合させた鹿児島空港至近のテーマパーク」だそうで、中では、焼酎、チェコのビールはもちろん、チェコ料理も楽しめるとのこと。これはぜひ一度、足を運ばなくてはとメモしたしだいです。
行くところ行くところ、なぜか不思議につながっていることに驚きを覚えるとともに、やはり、何を取り上げるにしても、実際、現地におもむき、しかも注意深く観察することの大切さを思い知らされました。市内から空港へ行くバスなどというのは、普通は格好の居眠りチャンスなのでしょうが、私はそういうことはしない、というかできない気質なのです。何も見逃さない、聞き逃さない──これからもこの鉄則は守っていこうと思います。
それにしても、天文館の一角にある黒豚専門店で食べた豚カツは絶品でした。黒豚のカツに真っ黒なソースがかかっているのですが、こればかりは、その見た目に驚き、きっちり写真に撮りました!