初めての「シニア」割引を経験

年末、高校時代の仲間と日本橋でスキ焼きを囲んだとき、早期退職して自由になった時間をもっぱら映画に注ぎ込んでいるSくんから聞いてはいたのですが、60歳になると1000円で映画が観られるようになります。メンバーのうちまだ還暦を過ぎていない3人ほどはどこ吹く風という面持ちで聞いていましたが、私は「そうだったよなぁ!」と思ったものです。

映画の料金には、「夫婦50割引」というのがあり、これまではもっぱらそのお世話になっていました。ただ、この割引は2人(法的に夫婦でなくてもOK)一緒でないと利きません。1人で行ったときはロードショーで1800円。でも、昨年11月に還暦を過ぎた身ですから、これからは1人でも堂々1000円で観られるしだいです。というわけで、今日の夜、初めて「シニア割引」で映画を観ました。

Rimg0287 池袋東急という、繁華街のど真ん中にあるオールドタイプの映画館で、『バーレスク』という作品でした。あちこちの映画館で上映されているわけではない、比較的マイナーなものですが、これがけっこう泣かせます。あらすじはインターネットを参照していただくとして、主演クリスティーナ・アギレラ(本業はシンガーソングライター)の歌のうまいこと。それと、脇役のシェール(こちらももともとは歌手。私たちの年代で“I Got you Babe”を歌った「ソニー&シェール)を知らない人はいないでしょうが、その片割れ──当時は夫婦だった)の好演が光りました。

それもそのはず、私自身はまったく知りませんでしたが、シェールは1987年の『月の輝く夜に』でアカデミー主演女優賞を受賞しています。その後、1998年にはグラミー賞も受賞しているので、映画と音楽の両方で最高の栄誉に輝いている希有なアーチストなのです。

それにしても、「シニア割引」というのは、えらくあっさり利用できるのに驚きました。自動販売機で「シニア割引」のボタンを押すだけでOKなのです。切符もぎりの係員もただ半分をちぎるだけでした(財布の中からわざわざ健康保険証を出してスタンバっていたのに……)。これからは、この「シニア割引」を徹底的に利用させてもらいながら、映画を楽しむことにします。