2018年2月12日
今日もまた好天が続きます。朝から、30分ほど電車に乗って郊外にあるディアヴォレッツァまで行きました。ここには標高約2978mのところに展望台があり、4000m級の山々を間近に臨むことができます。展望台までは鉄道駅からロープウェイに乗って10分ほどで到着。ただ「展望台」というのは夏の言い方で、冬場はスキー場です。あとほんのわずかで標高3000メートルに達するゲレンデには地元の人を中心にスキーヤーがびっしり。スクールもあるので、なんともにぎやかです。ただ、もともとは広い場所ですし人口も少ないので、日本のスキー場のようにせせこましさはまったく感じられません。
この付近の最高峰ピッツベルニナ山(標高4049m)は残念ながら見えませんでした。天気はいいのですが、さすが3000mを超えたあたりからは雲が多くなります。そのまたさらに上空はまた晴れ渡っているものの、頂上付近だけが隠れてしまっているのです。
下の鉄道駅から展望台の最高地点まで数分間上がっていく大型(108人乗り)ロープウェイから観られる、360度のパノラマは最高です。ただ、乗っているのは全員、スキー板とストックを持った人。私たちのようにカメラしか持っていない者はまったくの異分子です。といって、好奇の目で見られるわけではありませんが、それでも小さくなってしまいました。1時間ほど頂上にいましたが、マイナス14℃の寒さにはかないません。ちょうどロープウェイが上がってきてお客をおろしたところだったので、それに乗り下に向かいました。
お茶を飲みながら待つこと30分。サンモリッツ方面に向かう電車が来たので、それに乗って戻ります。町は今日も相変わらず、お金持ちが出歩いていました。スーパーやお土産屋、スポーツ用品店をのぞいたりしながらぶらぶら歩いていると、おいしそうなチョコレートを売っている店が。この店が大穴というか、ドアを開けて中に入ると、なんとケーキやサンドイッチも売っていますし、さらにその奥はカフェになっていました。店先で買ったものを中で食べることができるのです。
この町でまあまあ気軽に入れそうな店はここだけではないかという気がしました。要するに、「お金持ち」といっても、日本とヨーロッパとでは、桁が違うというか年季が違うというか、まったく別世界の人たちという印象を受けました。毛皮のコートをみせびらかそうとか、高級ブランドのバッグや洋服をひけらかすといった、底の薄い雰囲気は皆無。ここ2、300年ずっとお金持ちであり続けている人の血は、いわく言い難いものがあります。そうしたものと初めて触れた私は驚くばかりでしたが、日本の軽さ、歴史的な成熟度の遅さやはり否めません。