客の3分の2以上が日本人という居酒屋

2018年2月8日
DSC_0608

これだけ多くの教会を回ると、いいかげん飽きそうにもなるのですが、それでも、素晴らしい美術品がいくつも観られるとなれば、やはり行きたくなってしまいます。というわけで、今日はヴェネツィアの外側、アドリア海に面している側に行ってみることにしました。

 

DSC_0148

DSC_0159ヴァポレットに乗り最初に降りたのが、フォンダメンテ・ヌオーヴェという船着き場。その前に立つ病院を抜けた先が最初の目的地「サンテ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会」です。病院自体もその昔、この教会が建てたのが起源なのでしょう。これだけ立派な病院を提供できるのですから、たいそう力を持っていたにちがいありません。

DSC_0152

DSC_0155

ヴェネツィアのランドマークは「リアルト橋」と「サンマルコ広場」。全体が迷路のようになっているこの町で、自分がいまいったいどこにいるのかがわかるように、どこを歩いていても、この二つの場所の方向を示す案内板が目に入ってきます。それでも迷ってしまい、気がつくと「えーっ!」という場所にいることもしばしば。この日も「フェニーチェ劇場」に行こうと歩き回っていたのですが、気がつくと、目の前の建物がそれではありませんか。現在の建物は3代目(初代と2代目は火災で焼失)だそうですが、中は初代の建物をほぼ模しているようで、素晴らしい造りです。その昔マリア・カラスも何度かこの劇場に出演していたらしく、それを記念するポスターなども貼られていました。

DSC_0210  DSC_0202 DSC_0203  DSC_0204 DSC_0205

 

夕食を食べようと、「リアルト橋」の近くを歩いていて見つけたのが「Ostaria al Diavo’lo L’aquasanta」という店。近くにその店しかなかったこともありますが、入り口近くに日本語で書かれたメニューが貼られており、「選ぶのが楽だから」というそれだけの理由で入ることにしました。イタリアでは夕食にはまだ早い6時過ぎだったこともあり、先客は2人、しかも日本人です。

IMG_1680 私たちが座るとすぐ、日本人6人のグループ客が入ってきて、そのあとも、続々日本人が。テーブル席は「ここって、ヴェネツィアだよね?」と確かめたくなるような様相です。日本語メニューがやはり利いているのでしょう。日本の観光地も、英語や中国語、韓国語、フランス語など、多く訪れる国の言葉で記したメニューを、店内ではなく、外の目立つところに貼り出すと、客がどんどん入ってくるのではないかと昔から思っているのですが、それは間違いなさそうです。「うまい・まずい」の前に、「何を食べられるか」のほうが決め手になるからです。ただ、“There is Japanese menu inside.”という貼り紙(浅草で見かけました)に利き目があるのかという疑問は残りますが……。

 

この店は「ちょい飲み・ちょい食い」の地元客が多いようで、入ってすぐのところにある小さなカウンターに並べられた大きな皿にちょっとした料理が盛り付けられています。客はそこから一つ、二つ、好みのものを選び、あとはワインかビール。持ち帰りする客も少なくありませんが、このあたりが「ostaria(イタリア語で居酒屋の意)」のよさでしょう。

IMG_1682ただ、日本語メニューだけでは十分とはいえないかもしれません。この店はおかみさんの愛想が素晴らしくいいのです。当意即妙の受け答え(それも日本語プラス英語)が的確で、日本人の客を和ませてくれます。それでおいしければ言うことないのですが、幸い、今日も私たちの口に合いました。今回の旅は、食事に関してはいまのところハズレがなく、ラッキーな日が続いています。