冬は、夫婦で、フルートを聴いて、フンワリ気分

2017年12月17日
秋田県は仙北市にある夏瀬温泉に来ています。この地にある唯一の宿「都わすれ」で、フルートのコンサートがあるというので、早起きしてやって来たのです。

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「都わすれ」は、すぐ近くの乳頭温泉にある「妙之湯」の姉妹館。ちょうど10年前のいまごろ初めてお邪魔して以来のお付き合いです。「女将さんも姉妹どうしなのですが、先日「鳥取の北前船寄港地フォーラム」でそのお二人にお会いしたとき、今日のことをうかがい、「よーし、行こう」と決めました。

014フルートという楽器の音色がそうさせるのか、「都わすれ」のロビー(80畳ほどの広さでしょうか)のサイズがピッタリなのか、とても心地よく響いてきます。演奏者は吉川久子さん。「フルートの音は、母親の声とほぼ同じ音域なんです」と話されていたのですが、実際、湯につかりながら、どこからとも流れてくるフルートの音を聞いていると、ふわーっとした気分になりました。うっかりすると、湯舟の中でうとうとしていたりします。そのくらい心が癒されるのですね。

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フルートを吹く吉川さんのバックには、窓ガラスを通して、枝に雪を乗せた木々と、遠くの山が見えてきます。庭に作られた小さな雪だるまも可愛い感じ。夜だともっとロマンチックな雰囲気がかもし出されたにちがいありません。それでも、吉川さんの素晴らしい演奏は、40人ほどの聴衆をすっかり惹きつけたようです。

 

 

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「都わすれ」は今年で開業13年目、妙乃湯は65周年だそうです。秋田新幹線の田沢湖駅からクルマで30分ほどという、けっして便がいいわけでもない一軒宿なのに、これだけのお客さんが毎日のように来られていることからすると、やはり際立ったユニークさが魅力なのでしょう。私たちもかれこれ6、7回来ていますが、来るたびに、「次はいつ来ようか」とカレンダーを繰っています。桜が満開のころ、山々が紅葉に染まるころ……。一度でいいから、そういう時期に来てみたいのですが、なかなかかなわずにいます。