1週間で3回、雪の東北に

2017年1月24日

1月17日から8日間で3回、東北地方に行きました。17・18日は秋田、20・21日は宮城県の石巻、24日が山形県の酒田(日帰り)です。秋田は「北前船寄港地フォーラム」の新年会@秋田メトロポリタンホテル、20日は女川温泉に1泊し、翌21

日の昼間は石巻の百俵館でおこなわれた「3・20」イベントの実行委員会発足パーティー、そして24日はこれから書き始める単行本のインタビュー。

 

雪でスケジュールが多少狂ったのは24日の酒田だけで、それも特急列車が30分ほど遅れたくらい。飛行機が飛ばなかったとか、列車が運休したわけではないので、ダメージはほとんどなし。しかし、1週間に3回も長距離移動があると、知らず知らずのうちに疲れがたまっているにちがいありません。

 

21日の会合で行った百俵館というのは、とても味わいがある建物で、震災後、石巻市川の上地区で始まった、「まちを耕し、ひとを育む」という理念のもとで進められている「川の上プロジェクト」の拠点として使われています。もともと400世帯ほどが暮らしていた川の上地区に、「防災集団移転」ということで、沿岸部から約400世帯が移り住んでくる計画がスタート、今年いよいよ実行になるのだそうです。

 

しかし、同じ石巻市といっても、まったく異なるバックグラウンドを持つ人たちが共生するとなると、住民がお互いに親睦を深めなくてはなりません。そのための場所として、もともと農協が精米や搾油の作業場として使っていた倉庫を改築し、子どもも大人もいつでも本を読み、学び、地域の未来に向けて語り合える公共の図書館+カフェとして作られたのだそうです。新旧の住民どうしが交流を深める場として、まちづくり勉強会と懇親会を兼ねた「イシノマキ・カワノカミ大学」という催しが毎月ほぼ1回おこなわれていると聞きました。

 

木造2階建ての建物の中の3分の2はそのための公共スペース、残り3分の1がカフェになっています。この日私がいたのは12時から3時半ごろまででしたが、その間、7、8席のカフェにはさまざまな人が出入りしコーヒーを飲みながら談笑していました。それとは別に、毎月第3日曜日にはマルシェのような催しも開かれ、所期の目標は実現できているようです。

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DSC014183方が床からほぼ天井まで書棚が作り付けになっていて、そこには大人も子どもも楽しめる本がかなりの数、置かれています。マンガもあれば、絵の描き方を教える入門書、郷土の本、健康の本、旅行の本など、所狭しと並べられていて、見た目はまさしごく「図書館」。私もこの日、拙著『100通りのありがとう』を寄贈させていただきました。ほかにも、震災にかかわる本が何冊も展示されているなど、建物の保有主の性格が手に取るようにしてわかる本が並んでいます。

 

DSC01424正午に始まったパーティーは、2年前ニューヨークでの「9・11」コンサートでもご一緒した女性(楯石千恵子さん)が司会。なめらかな話しっぷりで、30人ほどの参加者もすぐ溶け込み、3月20日に石巻市でおこなわれるミュージカルシネマ『100通りのありがとう』上映会に向けた実行委員会の主催。上映会のチケットをどうさばいていくかについて検討するための集まりです。手作りの料理や差し入れが山ほど届けられ、それをつまみながら、またミュージカルをプロデュースし脚本を書き舞台監督を務め音楽も全部作った寺本建雄さんのトークショーも楽しみつつでしたので、あっという間の2時間でした。