月別アーカイブ: 2019年2月

幸せになるための先祖の祀り方

著者:細木数子・細木かおり
四六版並製284ページ
価格:1,296円+税
[飛鳥新社・2018/12]

幸せになりたいすべての日本人に伝える、
「お墓の建て方・仏壇の祀り方」の決定版!

細木かおり
1978年12月11日東京生まれ。細木数子のマネージャー兼アシスタントを経て「六星占術」の後継者に。母・数子の意思を継承し、3児の母という立場から、「六星占術」を毎日の暮らしに活かす方法をアドバイス。

amazo_buy

東京で見逃した映画が観られラッキー!

2019年2月12日
昨年秋のドラフトで大注目された大阪桐蔭出身の根尾昂(あきら)選手は、抽選の末、中日ドラゴンズが交渉権を獲得、すんなり入団しました。しかも、1軍のキャンプに参加しているというので、北谷【ちゃたん】にある野球場に足を運んでみることに。こちらも、タイガース同様、根尾見たさに多くのファンが詰めかけているようです。

そこから、すぐ近くの楽天イーグルスの1軍キャンプ地にも足を伸ばしてみましたが、こちらはまだ数日後からスタートだったようで、残念ながら空振り。それでも、ここ沖縄で国内の7球団が春季キャンプを張るのは、経済効果も見込めるので、とても有意義なことのように思えます。沖縄は観光地として、47都道府県のなかでも屈指という年間1000万近くの人が訪れています。目的はそれぞれでしょうが、冬場、それも観光的にはどちらかといえばオフシーズン的なこの時期、こうした形で人がやってくるのはありがたい話ではないでしょうか。

しかし、もっと観光客を回遊させる手立てがあってもいいのではないかという気もします。この時期キャンプを張っているのは野球だけではありません。Jリーグのチームもやって来ています。また、Bリーグの強豪・琉球ゴールデンキングスもシーズンの真っ最中です。他県ではあまりスポットが当たっていないハンドボールも盛んですし、サッカーもJFLから着実に階段を上がってきたFC琉球が(現在はJ2)。ウォータースポーツだけでなく、沖縄はある意味スポーツ大国でもあるのです。

沖縄での楽しみの一つに映画があります。というわけで、夜は『アリー・スター誕生』を観に行きました。東京で見損ねた作品なのですが、たまたまこちらではまだ掛かっていたので、迷わずGO。レディー・ガガの演じる主人公アリーの人生はほとんどガガにも通じているのが名演につながっているのかも。監督はブラドリー・クーパー。『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』でブレイク、2012年から3年連続でオスカー候補になったほどの名優が初めてメガホンを取った作品なので、昨年末はけっこう話題なっていました。沖縄でも今日が最終日。その意味でも、ラッキーでした。

こんな近くに「世界遺産」が!

2019年2月11日
沖縄の拠点は首里にあります。いまでこそ那覇市の一部になっていますが、もともとはまったく別の町。首里には王宮が置かれていたのに対し、那覇は港町で、琉球王朝と明との貿易拠点として栄えました。首里のほうは、小社の分室がある寒川町はじめ、山川【やまがわ】町、桃原【とうばる】町、赤平町、当蔵【とうのくら】町、儀保【ぎぼ】町など、いまは全部で19の町から成っています(このうち平良町、大名【おおな】町、末吉町、石嶺町は厳密には首里ではなかったようです)。

今日は、最近すっかりハマっている『王都首里見て歩き―御城と全19町ガイド&マップ』(古都首里探訪会編・著)を片手に出かけてみることに。目的地は崎山町で、首里城がある金城町のすぐ隣。城は首里でもいちばんの高台にありますが、それとほぼ同じ高さで続いている一角です。琉球王朝時代は、鳥堀町、赤田町とともに泡盛の製造を許可された地域の一つだといいますから、それなりの権威もあります。

行ってみると、まず見晴らしのよさに驚きます。王朝時代は、城下の町並みがすべて見渡せたのでしょう。「御茶屋御殿【うちゃやうどぅん】石像獅子」とか「儀間真常【ぎましんじょう】の墓所」など、由緒を感じさせる事物やスポットがいくつもあります。 儀間真常(1557~1644)は「琉球の五偉人」の一人にも数えられ、サツマイモ栽培を広めたり、木綿の栽培と織物の技術、(黒)砂糖の製造と普及に努めたりなど、琉球王国の産業の基礎を築いた人物です。

そんな儀間の墓所が、住宅の立ち並ぶエリアの一角にあると、先の本にも書かれています。かなりアバウトなマップなので分かりにくいのですが、細い階段を下りて行ったところにあるよう。これでは、観光客が訪れたりすることはまずないでしょう。しかし、誰かが墓守りをしているのか、花も供えられていました。「御茶屋御殿」は王府の別邸で、火災などの災厄から守るために獅子の石像が置かれていたといいます。

   

こんな近くに「世界遺産」の一部を構成するものがあったなど、夢にも思いませんでしたが、それだけに、これから先も、行ったことがない場所・じっくり見たことがないものを探しに出かけようという探求心がくすぐられた次第。

さすがタイガース! ファンでびっしりの宜野座村営野球場

2019年2月10日
沖縄でのプロ野球キャンプでこれまでまだ一度も見たことのないのが阪神タイガース。場所が宜野座【ぎのざ】村なので、首里からはやや遠いのです。ただ人気球団なので、多くのファンが来て盛り上がっているのではないかと思い、行ってみることにしました。

キャンプ地の近くの「やかそば」という店に魅かれ、入ってみます。いいですねぇ、雰囲気が。入口近くに手書きの大きなメニュー表示があり、これがまた元気というか、なんというか。「やかそば」「炙り本ソーキそば」「豚まぜそば」「レバニラもやしそば」……。どれも食欲をそそります。私は「やかそば」を食べましたが、これがまたおいしいいのなんの。アグー豚かどうか定かではありませんが、麺が見えないほどのボリュームで、そばも腰があり、あっさり完食! またニュースポットを発見できました。

村営野球場には、大変な数の人が来ていました。雨模様であるにもかかわらず、球場に近い駐車場は車でびっしり。「御用のない方お断わり」という村役場の駐車場にも止めてあるほどです。99%はレンタカーを示す「れ」「わ」ナンバー。私たちは、歩いて5~6分はゆうにかかりそうな路上でやっとスペースを見つけ駐車し、球場まで行きました。まわりは応援グッズを売るテントや食べ物が軒を並べ、いい匂いをただよわせています。2003年から続いているので(1998年から2002年までは日本ハムの2軍が使っていた)、宜野座村イコール阪神というのがすっかり定着しているのでしょう。

宜野座からの帰り、金城【きんじょう】ダムに立ち寄ってみました。小社の分室のすぐ近くにあり、その前を走るたびに目にはしているのですが、まだ一度も近くまで行ったことがなかった場所です。道路からダムを歩いて渡り、全体を見下ろしてみると、やはり大きいですね。ダムといえば人工の池か湖がつきものですが、そこまで近づくにはさらに歩いて降りていかなければならず、さすがにそれはパス。

沖縄では20年以上前から、辺野古【へのこ】基地のことが大きな問題になっています。町のど真ん中にある普天間基地があまりに危険だというので、その機能の大半を本島北東部の名護市辺野古の海を埋め立て、そちらに作った基地に移そうという話です。地元の人たち、いな県民の多くが反対しているのにそれを強行しつつある日本政府との対立は泥沼化の一途。この先いったいどうなるのか、東京からやって来ている私ですら不安を抱きます。

その辺野古を今日初めて、この目で見ました。美しい海岸です。ほとんど手つかずの自然がまだ多く残っていて、なんで選りにもよってこんなところに基地なんか作るの? と誰もが思うでしょう。山口県岩国や東京の福生【ふっさ】など、オスプレイが何十機か数日やってきただけで大騒ぎになりますが、70年近くそうした状態に置かれている沖縄県民のことを思うと、どうなんだろうという気もします。

 

沖縄! 今回もまた始まりは、辣子鶏(ラーズーチー)

2019年2月9日
お昼過ぎに到着する便で、沖縄にやってきました。昨年の9月末以来ですから、4カ月以上も間が空いたことになります。到着が昼でも夜でも、着くやいなや空港から、県庁近くにあるひいきの中華料理店「燕郷房(ヤンキョウファン)」に直行し、大好きな辣子鶏(ラーズーチー)をかぶりつくのが最近の習慣。ちなみに、家人はパクチーサラダです(これもうまい!)。

辣子鶏は四川料理の代表的なメニューの一つだそうで、鶏の唐揚げを大量の唐辛子や花椒などと一緒に炒めたもの。それと出会ったのがこの店なのです。とにかくめっぽうおいしいので、辣子鶏抜きの沖縄などあり得ません。

https://www.tripadvisor.jp/LocationPhotoDirectLink-g298224-d6474066-i144010621-Yankyofan-Naha_Okinawa_Prefecture.html#144010621
https://www.tripadvisor.jp/LocationPhotoDirectLink-g298224-d6474066-i121947900-Yankyofan-Naha_Okinawa_Prefecture.html#121947900

「トリップアドバイザー」提供の写真ですが、次回は自力で撮ってきますね。何せ、撮るより食うという気質【たち】なもので、すみません。

心身ともに大満足で、明日からに備えます。といっても、特段これといった予定は立てておらず、いつものように成り行きまかせ、お天気まかせ、気分まかせ。でも、それが私にとってはいいのですね。日にちや時間で刻まれた生活と、たとえ3日でも4日でもおさらばできるのが、格好のリラクゼーションになるからです。今回は、プロ野球のキャンプとも重なっているので、まあ、ドライブがてらのぞいてみようかといったところでしょうか。

「顔真卿」展の混雑ぶりにビックリ!

2019年2月7日
顔真卿【がんしんけい】といえば、知る人ぞ知る書道の大家です。そうした世界とは一切無縁、ド下手な字の書き主である私がなぜその名を知っているのかというと、高校1年生のときに書道の授業で、王羲之【おうぎし】と並ぶ人物であると教えられたからです。

書道の授業は1年間だけでしたが、何をしたかというと、その王羲之の不朽の名作『蘭亭序』を書き、最後に落款まで彫ったうえで表装するという、書の一連の流れをすべて経験する内容だったからです。いまでもそのとき作り上げた表装は手もとにあるのですが、最初の授業で先生が話してくれた顔真卿のこともなぜか覚えています。

顔真卿は8世紀、唐代の政治家・学者・書家。中国史上屈指の忠臣としても知られています。安禄山の反乱軍の勢いが日に日に勢いを増す中、顔真卿はその親族とかたらい、唐朝への忠義を示すために兵を挙げました。反乱が収まったあと、奸臣に捕えられたり左遷されるなどしましたが、そうした圧力には一切屈しませんでした。最後は殺されてしまうのですが、そうした生き方が後世称えられたのです。

その一方、書家としての顔真卿は、「書道を習う者はまず王羲之を学んでから他を学べ」「王羲之の文字でなければ文字にあらず」とまで言われていた「書聖」王羲之の流麗で清爽な書法に反発。力強さと穏やかさとを兼ね備えた独特の「蔵鋒」という新たな技法を確立したといいます。

日本の書道も当然、その影響を受けているようで、奈良時代から手本とされてきました。代表作が「蘭亭序」で、2年版ほど前に行った『漢字三千年展』にも展示されていました(2016年10月26日の項参照)。

その顔真卿の名作が今回初めて日本で展示されるというので、混み合いそうにない平日を狙って行ってみたのですが、これがまったくの読み違いで場内は大混雑。目玉の「祭姪文稿【さいてつぶんこう】」(台北・國立故宮博物院)は“混雑のため、ご観覧までに長時間お待ちいただいております”と、国立博物館(平成館)のウェブサイトにも書かれてはいましたが、なんと「55分待ち」。「作品の前では立ち止まらないでください。ゆっくり前に進みながらご鑑賞を」とも。まさかこれほどとは……。

思うに、最近その数をどんどん増しているインバウンド(外国人観光客)のなかでも、中国や台湾・香港など漢字文化圏から来日してきた方々が来ていたのではないでしょうか。台湾本国の故宮博物院で見るのもやはり大変なのでしょう。それがたまたま訪れた日本で見られるというのですから、これはしめた! と思ったのかもしれません。昨年、私がロンドンの大英博物館で葛飾北斎の版画を見ることができたようなものですね。

さすがに、「祭姪文稿」以外の作品「黄絹本蘭亭序」や「千福寺多宝塔碑」の前は普通の状態でしたが、書の展覧会にこれほどの客が来館するとは、主催者側も予想していなかったのではと思います。顔真卿と同じ時代に活躍した虞世南【ぐせいなん】、欧陽詢【おうようじゅん】、猪遂良【ちょすいりょう】ら“初唐の三大家”の作品も展示されていたので、深いところまではよくわからないものの、顔真卿の筆致と見比べながら、楽しむことができました。