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沖縄の名護で“日本一早いお花見”を楽しむ

2018年1月23日
日曜日の夜から沖縄です。そして今日は本島北部、名護の西にある本部【もとぶ】町・八重岳で、“日本一早いお花見”を体験しました。着いた日の夜遅く、テレビで「本部町八重岳桜まつり」のニュースを見たからです。「桜」といっても緋寒桜(寒緋桜とも)なのでソメイヨシノとは逆、北のほうから咲き始めます。

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IMG_3010八重岳は標高450メートルほど。そのぶん多少は気温が低いのでしょう、上に行くほど開いている花びらが増えます。なかには満開の木もありました。でも、おもしろいのは、ススキと一緒にサクラが花を咲かせていることです。秋と春が同時なんて、不思議に思いませんか。平日なので、ガラガラかと思っていたら、駐車場も、山頂に上っていく道もけっこう混み合っていました。それも外国人の多いこと。近ごろの外国人訪日客は、日本の隅々まで、ホントよく知っています。

IMG_3018ソメイヨシノと違い緋寒桜は地面に向かって花が開きます。色も濃いピンクで、なかには文字どおり緋色の花びらも。しかも、頂上までだらだら昇っていく道からは東シナ海や瀬底島・伊江島が見えるので、同じお花見でもユニークな印象を受けます。何より不思議な感じがしたのは、ススキと桜が一緒に観られること。こんな面白さを体験できるのは、たぶん沖縄だけでしょう。

 

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これだけで那覇に戻ってもよかったのですが、家人のすすめで、そこから10キロ足らず、「ちゅら海水族館」の近くにある「備瀬【びせ】集落 フクギ並木通り」を見に行きました。八重岳から降りていく途中に桜の森公園というところがあり、「桜まつり」のときはここがにぎわいの中心になるのでしょう。そこを過ぎ海の方向に向かって走っているとき目にしたのが不思議なオブジェ風の地形です。名前がついている風もなく、県道84号線(通称「本部そば街道」)の脇になんとなくある感じでしたが、あまりに存在感があるので車を止め、写真を撮ってしまいました。

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さて、いい加減なナビのおかげで苦心惨憺しながらようやく「並木通り」に到着。「並木通り」というので、一本道を思い描いていたのですが、これは大間違い。一つの集落がフクギという木にそっくり囲まれており、その中を走る道の両サイドにもびっしり植わっているのです。

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海の際にあるこの集落では、防風・防砂林として、また防火林としてフクギがびっしり植えられ、その中に古い家々が立ち並んでいます。ごく普通の住宅地の中に遊歩道(住民にとっては生活道路です)があり、端から端までゆっくり歩けばたっぷり1時間はかかるでしょう。集落の入口近くに「レンタサイクル」の店があった理由がよくわかりました。沖縄は自転車にどうにもなじまないところだから、変だなぁと思っていたのです。

 

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フクギ自体は沖縄のあちこちで見られるそうですが、その多さ、密度はここ備瀬が一番だといいます。フクギは「福木」とも書くことから霊験あらたかなイメージがあるのか、最近はパワースッポトとしても人気を集めているようです。

 

 

IMG_3107でも、実際に並木道(遊歩道)を歩いてみて、心が洗われるのは間違いありません。肉厚で大きな葉の存在感は圧倒的。南国に自生する植物の力強さが伝わってきます。歩き終え駐車場まで戻る途中、海岸を歩いてみましたが、砂浜のはるか先に浮かぶ瀬底島と伊江島の間の空がほんのり赤く染まっています。日没前だけの美しい光景に、思わず見とれてしまいました。

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