羽州街道の旅ならでは!? まだまだある未知の観光スポット

●昨夜の泊まりは山形宿。花笠まつりのパレードがおこなわれる通りに面したホテルでした。早朝近くを散歩すると、宿場町だった頃を彷彿させる風情の建物に遭遇。山形県には明治期に建てられた洋風建築物もあちこち残っていますが、その多くは三島通庸の推進した建築土木政策の所産のようです。


●山形をあとに、次に訪れたのは寒河江[さがえ]宿の慈恩寺。天平18(746)年、聖武天皇の勅命でインド僧婆羅門[ばらもん】が開山したと伝えられる古刹です。江戸時代は幕府の保護を受け、東北随一の大寺院として栄えたとのこと。1300年もの長い歴史の中で数々の文化財が残されており、国指定重要文化財も多数あります。


●この寺の存在はまったく知らず、いまさらながら自身の不勉強を恥じいったしだい。とくに素晴らしかったのは、個性的な姿・表情をした仏像の数々。弥勒菩薩、釈迦如来、薬師如来、聖徳太子立像、十二神将立像(重要文化財)など多くが木掘りで、それがまたなんとも言えない柔和さを強調しています。


●午後はこの地域の名産・紅花を見て楽しむ設定。しかし、6月の異常な暑さもあってか、例年より半月早く散ってしまったよう。そのあと行った最上川三難所舟下りも、前日の雨で水量が増したため難所を示す岩がすっかり姿を消し、スリルを味わう楽しみは”日散雨消”とあいなりました。桜とか紅葉を楽しむのがテーマのツアーは、時の運に左右されるきらいがあるのが悩ましいですね。(2022/7/20)