小石川植物園に行ってみました

2014年4月13日
40年近く東京に住んでいながら一度も行ったことのない場所はまだまだ数多くあります。今日はその中の一つ、小石川植物園に行ってみました。桜はもうとっくに散ってしまっていますが、ほかの花が見られるのではないかという期待もあったのです。

「小石川植物園」というのは通称で、正式には「東京大学大学院理学系研究科附属植物園」という長ったらしい名称だそうです。日本でもっとも古い植物園で、世界的に見ても、有数の歴史があります。320年ほど前、1684(貞享元)年に徳川幕府が設けた「小石川御薬園」がその前身で、1877(明治10)年、東京大学が設立された直後に附属植物園となり一般にも公開されてきました。

4万5千坪ほどの敷地には、台地や傾斜地、低地、泉水地などさまざまな地形が見られ、そこに4千種ほどの植物が栽培されているとのことです。

広い園内にときおり、大きな表示のある木があります。たとえば、「ニュートンのリンゴ」。物理学者のニュートンが、リンゴの実が木から落ちるのを見て「万有引力の法則」を発見したという逸話は有名ですが、それにちなみ、1964(昭和39)年に英国物理学研究所長ゴードン・サザランド卿から贈られた枝を接ぎ木したものだそうでです。

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また、「精子発見のイチョウ」は、1896(明治29)年、理学部植物学教室助手の平瀬作五郎が精子を発見したことで知られるイチョウ。イチョウには雄株・雌株があり、精子が発見された株は雌株で、秋にはギンナンがたくさん実るとのこと。

「メンデルのブドウ」は、遺伝学の基礎を築いた(グレゴール・ヨハン・)メンデル(1822~84、オーストリア)が実験に用いた由緒あるブドウの分株だということで、名前だけ見ていると、いきなり生物の教科書の中に飛び込まされたような感じがしますね。

さらに、園内には「日本庭園」もあります。もともとは徳川5代将軍綱吉が幼いころ住んでいた白山御殿の庭園がそれで、江戸時代の代表的庭園の一つといわれています。

まあ、とにかく広大な植物園ですから、「花ごよみ」(http://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/koishikawa/koyomi/)を見ると、何月ごろなんの花が楽しめるかがよくわかります。そのあたりに的を絞って出かけると、それほど長い時間をかけず、効率的に楽しむことができるかもしれません。