最初の上陸地ヴィックスバーグは南北戦争の激戦地

2019年11月27日

今日はクルージング3日目。25日の夕方、船はメンフィスから静かに出発しました。最初の小一時間ほどは両サイドに光も見えましたが、そのあとはもう何もなし。どちらも真っ暗です。ずっとこんな感じなのかなぁと、悪い予感がしました。しかも、昨日はどこにも寄港することなく、ひたすら走るだけ。添乗員さんは「体をゆっくり休め、時差ボケをなくしてください」と言っていましたが、まるまる1日、船の中でボーッとしているのも疲れます。私にとっては69回目のバースデーでしたが、なんだか気が抜けてしまいました。

さて、今朝着いたのはヴィックスバーグという町です。1862・63年の二度にわたりこの地で繰り広げられた激戦に北軍は勝利します。そのとき南軍を率いていたのがJ・ペンバートン将軍で、南軍を包囲した北軍の指揮官がU・グラント将軍。北軍が勝ったことで、ミシシッピー川は北軍の制圧下に置かれることになり、南部連合は地理的に分断されたといいます。以後は北軍が優勢に戦いを進めたことで、大きなターニングポイントとなりました……。というのですが、南北戦争についてほとんど知識のない私のような者にとっては、いまひとつピンと来ません。ほぼ焼け落ちたときの状態をとどめているペンバートン将軍の屋敷を見ても、「はあ、そうですか」とうなずくだけです。

それよりわかりやすかったのは、「コカコーラ博物館」。といっても、見かけはごく普通のスタンド喫茶といった感じです。1894年、この地で菓子屋を営んでいたジョセフ・ビーデンハーンがコカコーラを初めて瓶詰めしたのだそうです。この当時のボトルなど、内部は古い時代の関連グッズがぎっしり。コレクターにとっては垂涎の的なのでしょう。

25日の夜からクルーズ船の食事が続きそろそろ飽きを感じ始めていた私は、どこか食事のできる店はないかと探してみましたが、2つ、3つある店の看板を見ても、食指が動きません。サンクスギビングで休業中という店が多いですし、そもそも店の数が圧倒的に少ないのです。町を歩いている人も私たちと同じ船に乗っている一団だけで、さみしいことさみしいこと。お腹も空き始め、テンションがまったく上がらないまま船に戻るしかありませんでした。