〝一度観たら絶対忘れない絵〟を描く作家

てらもとたてお(寺本建雄)さんの個展を観にいってきました。てらもとさんは、私の出身校(愛知県立明和高校)で同期の元女優そふえまなさん(祖父江真奈)のダンナさんです。「劇団ふるさときゃらばん」で〝職場結婚〟した2人ですが、てらもとさんは劇団の音楽と美術を一手に引き受けてきました。

てらもとさんの絵はなんとも個性的というか、一度観たら絶対に忘れることのない作品ばかり。そのてらもとさんの、意外なことに初めての個展が浅草に近い吾妻橋のたもとにあるアサヒビール本社の一角にあるギャラリーで開催されると聞き、最終日(12月28日)になってしまったのですが、これは見逃せないと足を運んだのです。

Rimg0380

小さなギャラリーではありますが、そこにはまごうことなき〝てらもとワールド〟が繰り広げられていました。

「描くのにそんなに時間はかからないんだよね。イメージがガンガン浮かび上がってくるから」という、てらもとさんの言葉は、私にもよく理解できます。おそらく、そのときが、その絵を描くための唯一のチャンスなのでしょう。文章を書くのもまったく一緒です。

Rimg0238 よく「構想○年、執筆に×カ月」とかいいますが、私の場合、そういうことにはなりません。頭の中に書きたいことが思い浮かんだときは、そのまま原稿用紙(いまはパソコンですが)に向かっています。そのイメージがはっきりしているときは、それこそあっという間に書き上がります。「構想一瞬、執筆1時間(400字詰め原稿用紙7~8枚)」でしょうか。

そして、口はばったいいい方ですが、そういう文章こそ、たぶんベストのできではないかと思っています。ささっと書けた文章というのは、ささっと読んでもらえる──これは私の確信です。これから先も、そんな原稿を書いていきたいと願っています。