高校同期生の社会見学──今回は横浜・野毛

2018年2月17日
一昨日、ヨーロッパから帰ってきたばかりですが、今日は高校同期生が集まっての社会見学。行先は横浜・桜木町の伊勢山皇大神宮です。横浜総鎮守でもあるこの神社、実はかなり格式が高いようで、いうならば“関東のお伊勢さま”。

行って驚いたのは、2014(平成26)年におこなわれた本家・伊勢神宮の式年遷宮で建て替えられた古社殿が、こちらにそのまま移されていたこと。それが2020(同32)年に、ここ伊勢山皇大神宮の本社殿になるのだそうです。堀立柱の唯一神明造、伊勢と同じ茅葺きですから、完成したときはさぞかし神々しい雰囲気がただようことになるのでしょう。

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社会科見学は小1時間で早々に終了、本来の目的である「野毛【のげ】のディープな居酒屋で昼呑み」に移ります。伊勢山皇大神宮が建つ場所はもともと、標高50mほどの野毛山という名前で知られていたそうです。幕末の1859年、横浜が開港すると、外国人貿易商を相手に商売をする日本人の豪商たちが住まうようになったのがこのあたり。87年には日本で初めての近代水道用の配水池が敷設されています。1949年に開催された日本貿易博覧会の会場にもなり、その2年後には動物園も完成。

まあ、このように由緒ある場所なのですが、なぜか山のふもと一帯は横浜随一の飲み屋街になっています。狭いエリアに数えきれいくらいの居酒屋、バーが密集し、食べられるものも焼鳥、おでん、ホルモン(もつ)、寿司、てんぷら、中華など、なんでもアリといった感じ。それにしても、この界隈がそうなったのか、不思議な気がします。

太平洋戦争のあと伊勢佐木町など横浜の中心部の大半は進駐軍に接収されたため、このエリアは復員兵や軍需工場の労働者など日本人の生活の中心地として機能したといいます。生活用の物資が慢性的に不足する中、闇市と屋台が並ぶ野毛は「ここに来ればなんでもそろう」と言われ、職と食を求める人々でごった返していたようです。

IMG_E3446いまでも街全体に昭和の匂いがかなり濃厚にただよっており、昼ひなかから営業している飲み屋も少なくありません(これは、東京・浅草と同じく、JRAの場外馬券売り場=WINSが近くにあるためです)。その一角で、ピョンチャン冬季五輪の男子フィギュアをテレビ観戦するのも一興ではないかと、今日参加した8人全員の意見が一致。さっそくあたりを徘徊して見つけたのが中華料理屋。なんの変哲もない店でしたが、どうしてどうして味はハイレベル。中国・福建省出身のおかみさんを相手に会話も楽しみながら、羽生結弦選手の金メダル確定の瞬間を全員で祝いました。