那覇の牧志市場で不思議な人たちに出会う

2018年1月25日
正午から映画を観る予定をしていたので、その前に軽く食事することにしました。映画館の近くにある牧志公設市場の一角に、いかにもローカルっぽい総菜屋さんを見つけ、そこでクーブイリチーと魚の天ぷら、ブロッコリーとベーコンの炒めもの、ジューシーおにぎりをほんの少しずつ買い、しめて500円!

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IMG_3114映画館近くにある公園のベンチにでもすわってつまんでいけばいいやと思っていたのですが、その総菜屋さんのすぐ隣がイートインになっているではないですか。中に入ると、テーブルとイスが雑然と置かれており、そこに陣取りました。先客が一人、朝から泡盛を飲んでいます。私たちが入ったすぐあとからも次々と、総菜を手にしたお客が入ってきました。年恰好はオジーですが、沖縄の人っぽい感じはしません。

 

お互い初対面どうしにちがいないのですが、なんとはなしに話が始まります。聞くともなしに聞いていると、「埼玉から来た」「埼玉? どこだ、川口か草加か?」「草加だよ」「そうか、そうか」といった具合で、一人が身の上話を。テキトーに相槌を打ったり茶々を入れたりしながら、それなりに盛り上がっています。途中、総菜屋のお姉さんが品物を持ってくると、「おー、ちょっとお酌してよ」「ここはそういうお店じゃないさー」「固いこと言わないで。50円余分に払うからよ」。お姉さんもあきらめ顔で、1杯だけお酌をして早々に退散……。それをしおに、私たちも席を立ち映画館に急ぎました。

近ごろ「ディープ」という言葉が流行っていますが、牧志市場にもこんなディープな空間があったとは。沖縄に拠点を設けて10年。まだまだ奥が深いようで、これから先の楽しみがまた増えました。