2016年1月28日
一昨日から沖縄にやってきています。沖縄ももちろん冬ですからふだんよりは気温も低いのでしょうが、それでも東京の寒さに比べればウソのよう。今日は風もなさそうですし、日中は晴れの予想だったので、遠出してみました。
最初に行ったのは宜野湾市にあるタコス専門店「メキシコ」。前回行こうとしたときは、あいにく定休日だったため入れませんでしたが、今日は大丈夫。ネットの情報ではランチタイムはえらい人気のようなので、少し早めに到着、車も楽に止められました。
中に入ると、メニューも何もありません。そう、「タコス」だけなのです。店の隅にドリンク類の入ったケースがありますが、こちらはセルフサービスですから、テーブルに案内され、タコスの皿数だけを告げれば完了。ひと皿4個入りのタコスは、ふだん食べ慣れているのと違い、軽く揚げた感じの皮に乗っかっています。カリッとしていないため、マイルドな触感といいますか。たしかに、おいしいタコスで、人気のほどがよくわかります。
そこをあとにし、一路北に向けて車を走らせました。目標は、島内で唯一行ったことのない城=座喜味【ざきみ】城跡です。58号線を30分ほど走ると、これまで何度もその前を通っている「道の駅・喜名【きな】番所」というところがありました。立ち寄って情報を仕込んでいこうと駐車場に車を入れたのですが、道の駅につきもののレストランや土産物屋がありません。
唯一あるのは「読谷村【よみたんそん】村役場」という古い看板の奥にある建物。「案内所」の文字があったので中に入ってみました。すると、上品な感じをただよわせた女性が出てきて、「ここは、全国で10か所しかない、レストランも土産物屋もない道の駅なんです」と。そのあと、周辺の案内も含め、親切にレクチャーしてくださり、座喜味城跡に向かいました。
道路沿いもこぎれいというか、いかにも財政的に豊かなところなんだろうなという印象を受けます。読谷村は全国でもっとも人口が多い村(4万以上)とのこと。首都圏からもけっこうな数の人が移住しているようです。村の特産は焼物だそうで、「○○窯」と書かれた看板が目につきます。そうした趣味を持つ方々が移り住んできたのでしょう。
座喜味城は、これまで訪れたことのある首里城や今帰仁【なきじん】城、中城【なかぐすく】城、勝連【かつれん】城よりはるかに小じんまりしていたようです。きれいな石垣が特徴で、沖縄本島内にある城のなかでも古いほうだとか。観光客もボチボチ訪れていましたが、本土の城のように周りに多くの店があるわけでもなく、渋い感じがします。石垣の周囲には松(リュウキュウマツではない!)が植えられており、そこだけ切り取ってみると、「ここが沖縄?」と首をかしげたくなるはずです。
ひととおり見終わって駐車場に向かう道の途中、ベンチに腰かけて大きな葉っぱを一心にハサミで切っている男性がいました。何をしているのか聞いてみると、月桃の葉を切っているといいます。切った葉を焼酎につけて2、3カ月すると、とても重宝する薬になるのだとか。日がな一日、ここで月桃の葉を切っているというのです。座喜味城を訪れた観光客にそれをプレゼントしているようで、「自分を育ててくれたこの村へのお礼」のつもりと話していました。
月桃の葉は爽やかな芳香があり、防虫、防カビ、抗菌、鎮静、保湿、消臭などの効果があるとのこと。ポリフェノール(過剰な活性酸素の働きを抑制する働きがあるので動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞の予防に効果があるとされる)が含まれているので、健康茶としても売られています。沖縄ではたいていの家で庭に植えられ、お餅を包むのにも使うとか。男性がすわっているベンチのまわりにも、たしかにあちこち生えていました。