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黄色と赤の戦いは、赤に軍配

2019年9月30日
28日の夜遅く、アイルランド戦勝利の興奮に酔いしれながら帰京。しかし、昨日はゆっくりする間もなく、午後ちょっと遅めに家を出てウェールズvsオーストラリア戦(予選プールD組)に。1週間ぶりの味スタです。日本の試合ではないので、京王線新宿駅で乗る客は外国人の姿が目立ちます。飛田給駅周辺もゴールドイエロー(オーストラリア)と赤(ウェールズ)のレプリカジャージを身に着けた大男のグループが缶ビール片手でそこいら中にたむろし、歩道を歩いていました。ゴールドイエローは膨張色ですし、騒ぎ方もウェールズより派手で、声も大きいので、一瞬ここはオーストラリアかと錯覚してしまうほど。

 

試合は開始早々、ウェールズの司令塔(スタンドオフSO)ダン・ビガーのDG(ドロップゴール)が決まり、観客の度肝を抜きました。キックオフから36秒後の得点はW杯史上最短だそうです。ダン・ビガーは2013年6月15日、エディー・ジョーンズ率いるJAPANと秩父宮でテストマッチを戦ったときも同じポジションで出場していましたが、昨日はさっそくのDGで、昔からのファンは「さすが!」と思ったのではないでしょうか。ちなみに、そのときは、今回JAPAN代表になっている堀江翔太、田中史朗、福岡堅樹、田村優も出場しており、ウェールズに初めて勝ったというので大騒ぎになりました。

さて、DG(ドロップゴール)は俗に“飛び道具”ともいいますが、日本のラグビーではあまりお目にかかれません。ヨーロッパ、南半球ではひんぱんにとまでは言わないものの、それほど珍しいものではないようです。2003年W杯の決勝、イングランドの司令塔ジョニー・ウィルキンソンが決めたドロップゴールはあまりにも有名です。延長後半ロスタイムのことで、オーストラリアはこの一発に沈み、優勝を逃したのです。youtubeでぜひご覧ください。

www.youtube.com/watch?v=rpmsCUk0pKA

DGは、23メートルラインをはさんだあたり、それもゴールポストのほぼ正面に近いエリアから、いったんグラウンドにはずませたボールを蹴り、それがポストの間を通過すれば成功=3点なのですが、ふだん見慣れているスクラムやラインアウト、密集戦(モール、ラック)がラグビーだと思い込んでいる人からすると、一瞬「えっ、どうしたの?」と驚いてしまいます。選手たち、とくにFWからすると、感覚的にはそれに近いものがありそうですが、3点取れるわけですから、えらく得をしたような気持ちになるのではないでしょうか。

というわけでオーストラリ側にはいささかショッキングなスタートだったのですが、前半20分くらいまでは、ウェールズが縦横無尽に動き回っていました。アイルランドに似てさほど派手さはありませんが、実力はかなり上。現に、今年のシックスネーションズ(ヨーロッパの6カ国による総当たりリーグ戦)ではみごと全勝優勝しています。ただ、W杯では1987年の3位が最高で、ベスト8までは行ってもそこから先まではなかなか勝ち上がれずに来ました(2011年は4位)。しかし、今日オーストラリアの追撃を振り切り勝った(29対25)ことで、この先が楽しみです。

昨日は席がバックスタンド側、しかもかなり上のほうで階段の昇り降りがきつかったため、帰りはどうしようか悩んでいました。正面まで回って京王線に乗るのはしんどそうで……。そこで、とりあえずバックスタンド側から地上に降りてみたところ、JR中央線の武蔵境駅までノンストップで行くバスが用意されていることがわかり、それを利用することに。一昨日の静岡エコパスタジアムのように、交通の便が限られているところに比べると大助かりです。こういうときは、都会の便利さを痛感しますね。