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那覇市内に残る唯一の自然林

2016年1月31日
昨日の雨がウソのように、今日は朝から晴れ渡っています。沖縄に来るたび、どこか一つでいいから新しいスポット(観光でもグルメでも)を見つけて帰りたいと願っているのですが、今日はそれを2つクリアできました。

1つ目は、那覇市内でも一等地といっていい泉崎(県庁・市役所の近く)にあるカフェ。もともとは浦添のアメリカ人用住宅の一角で営業していたケーキ屋さんだったのですが、その後大発展したようで、大きな店舗を構えています。それもケーキだけでなく、パン全般。さらに、普通の料理も食べられるカフェに様変わりしているようです。浦添時代の面影はまったくありません。

中は広々しており、天井も高く開放的な雰囲気。朝7時半からオープンしているそうで、なるほど、ここなら気持ちよく食べられそうです。パンケーキをベースにしたブランチっぽいメニューを選びましたが、さっぱりした味わいが印象的。

そのあと、絶好のドライブ日和に敬意を表し、首里の一角にある「末吉公園」というところに立ち寄ってみました。「那覇に残る唯一の自然林」というのがうたい文句のようです。丘陵を覆う森林を利用して作られた広い公園はアップダウンの連続。「森の探検ウォーキング」などという催しがおこなわれているのも当然かもしれません。

駐車場から公園全体を見渡すと、木々がうっそうと生い茂っています。その先には東シナ海も見え、いかにも「オキナワー!」といった景色が。さっそく歩き始めると、目の前にいきなり急角度の下り階段です。「降りるのはいいけど、最後はこれだけの登りがあるんだろうな」と、不安を抱きながら歩き始めました。

すぐに遭遇したのが1本の寒緋桜。全体の半分ほどが清楚な花を咲かせており、いながらにしてお花見ができました。園内のどこかにまとまった桜並木でもあるのでしょうが、とりあえずはこの1本。でも、今年初めて見た桜に大満足です。

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階段を下り切ったあたりで、川のせせらぎのような音が聞こえてきます。ふと前を見ると石でできた橋が架かり、その下に小さな川が流れていました。安謝【あじゃ】川といい、そこから山間【やまあい】に向かっていくと、途中に滝もあります。夏に来ればさぞかし涼しく感じられるのではないでしょうか。

一度大きく下ったあとはゆるい上りがずっと続いており、「これなら最後でガックリということはなさそうだ」とひと安心。ただ、ここまで歩いてくる間、どこにも「案内図(マップ)」がないのが気になりました。どこをどう歩いているのか、さっぱり見当がつかないのです。子どもたちも来るだろうに、いささか心配になりました。もっとも、観光スポットらしい派手派手しさには欠ける場所で、来ているのは那覇市民ばかりのようでしたから、そうした心配は無用なのかもしれませんね。

座喜見城跡で聞いたおじいの講義

2016年1月28日
一昨日から沖縄にやってきています。沖縄ももちろん冬ですからふだんよりは気温も低いのでしょうが、それでも東京の寒さに比べればウソのよう。今日は風もなさそうですし、日中は晴れの予想だったので、遠出してみました。

最初に行ったのは宜野湾市にあるタコス専門店「メキシコ」。前回行こうとしたときは、あいにく定休日だったため入れませんでしたが、今日は大丈夫。ネットの情報ではランチタイムはえらい人気のようなので、少し早めに到着、車も楽に止められました。

l1050772中に入ると、メニューも何もありません。そう、「タコス」だけなのです。店の隅にドリンク類の入ったケースがありますが、こちらはセルフサービスですから、テーブルに案内され、タコスの皿数だけを告げれば完了。ひと皿4個入りのタコスは、ふだん食べ慣れているのと違い、軽く揚げた感じの皮に乗っかっています。カリッとしていないため、マイルドな触感といいますか。たしかに、おいしいタコスで、人気のほどがよくわかります。

そこをあとにし、一路北に向けて車を走らせました。目標は、島内で唯一行ったことのない城=座喜味【ざきみ】城跡です。58号線を30分ほど走ると、これまで何度もその前を通っている「道の駅・喜名【きな】番所」というところがありました。立ち寄って情報を仕込んでいこうと駐車場に車を入れたのですが、道の駅につきもののレストランや土産物屋がありません。

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唯一あるのは「読谷村【よみたんそん】村役場」という古い看板の奥にある建物。「案内所」の文字があったので中に入ってみました。すると、上品な感じをただよわせた女性が出てきて、「ここは、全国で10か所しかない、レストランも土産物屋もない道の駅なんです」と。そのあと、周辺の案内も含め、親切にレクチャーしてくださり、座喜味城跡に向かいました。

道路沿いもこぎれいというか、いかにも財政的に豊かなところなんだろうなという印象を受けます。読谷村は全国でもっとも人口が多い村(4万以上)とのこと。首都圏からもけっこうな数の人が移住しているようです。村の特産は焼物だそうで、「○○窯」と書かれた看板が目につきます。そうした趣味を持つ方々が移り住んできたのでしょう。
座喜味城は、これまで訪れたことのある首里城や今帰仁【なきじん】城、中城【なかぐすく】城、勝連【かつれん】城よりはるかに小じんまりしていたようです。きれいな石垣が特徴で、沖縄本島内にある城のなかでも古いほうだとか。観光客もボチボチ訪れていましたが、本土の城のように周りに多くの店があるわけでもなく、渋い感じがします。石垣の周囲には松(リュウキュウマツではない!)が植えられており、そこだけ切り取ってみると、「ここが沖縄?」と首をかしげたくなるはずです。

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ひととおり見終わって駐車場に向かう道の途中、ベンチに腰かけて大きな葉っぱを一心にハサミで切っている男性がいました。何をしているのか聞いてみると、月桃の葉を切っているといいます。切った葉を焼酎につけて2、3カ月すると、とても重宝する薬になるのだとか。日がな一日、ここで月桃の葉を切っているというのです。座喜味城を訪れた観光客にそれをプレゼントしているようで、「自分を育ててくれたこの村へのお礼」のつもりと話していました。

l1050791月桃の葉は爽やかな芳香があり、防虫、防カビ、抗菌、鎮静、保湿、消臭などの効果があるとのこと。ポリフェノール(過剰な活性酸素の働きを抑制する働きがあるので動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞の予防に効果があるとされる)が含まれているので、健康茶としても売られています。沖縄ではたいていの家で庭に植えられ、お餅を包むのにも使うとか。男性がすわっているベンチのまわりにも、たしかにあちこち生えていました。

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