古いものを大切にする感性に脱帽

2016年9月29日

今日はまずモンジュイックの丘。その一角にある「オリンピック・スタジアム」に入ってみました。昨日バスでひとめぐりして興味をそそられたからです。岩崎恭子が200m平泳ぎで金メダルを取ったのはもう24年も前。そのプールの横に、マラソンの有森裕子が2番目にゴールを駆け抜けた陸上競技のスタジアムがそのまま残されています。

DSC_0020

このスタジアムはもともと、1929年に開催された万国博覧会のために作られたそうですが、92年のオリンピックのために改修。周囲が整備されたのもそのときで、さすが建築のレベルが高いスペイン、それもバルセロナとあって、何十年経ったいまでも古めかしい感じはまったくしません。おそらく100年後もそうではないかという気がします。「オリンピック」の名のもとに由緒ある国立競技場をいとも簡単に、それも跡形もなく壊してしまうどこかの国とは、およそ発想が違うようです。せめて聖火台とか柱の1本や2本は……と思うのですが。

DSC_0099 DSC_0100

 

スタジアムから坂を少し下ると「カタルーニャ美術館」があります。こちらも万博のとき政府館として作られた立派な建物。国内各地の小聖堂から集められてきた壁画が、もともと飾られていた教会の内部をそのまま再現した中に展示されているかというのですから凝っています。壁画を単体で観るのとはまったく趣が異なり、観る側も心がまえが違いました。

DSC_0109  DSC_0127 DSC_0141

DSC_0153

美術館からさらに下ったところが広いスペイン広場。これも万博のときに整備されたものだそうです。高さ47mの2本の塔(ヴェネチアンタワー)が印象的で、その間に3つの噴水が。左右対称の設計が気持ちを落ち着かせてくれます。

DSC_0145

その北東角にあるショッピングモール「アレナス。デル・バルセロナ」は元の闘牛場。3階建ての内部はみごとなまでに改装され、かつてのスタンドにはお洒落な店が並んでいます。屋上には、パノラミックに市街地を見渡せる、素晴らしい展望デッキがあるそうです。天気のいい日は「サグラダ・ファミリア」も見えるといいますが、そちらには上がれませんでした。でも、古い施設もこういうふうに利用する手があるのだと、いまさらながら感心させられます。

DSC_0162 DSC_0167