ご あ い さ つ

2020年3月から世界全体を襲った新型コロナウィルスというパンデミックの荒波。21年11月の時点で果たして収束したのか判然としませんが、それにより私自身の生活様式も大きく変わったのはたしかです。年間のほぼ3分の1を国内外の旅に費やしていたのが、ほぼ消滅。その結果、“新しいもの・こと”への興味・関心の矛先がごく身近なエリアに向き始めました。 しかも、それがまたエキサイティングなのです。要するに、「好奇心」さえハイレベルに保っていられれば、楽しい毎日を送れるということでしょうか。貪欲なまでの好奇心を生かしたいと願い、大学を出て小さな出版社に職を得たのは1976年。8年間の在職中、数々のベストセラーを企画・編集、独立後も幅広いジ
ャンルでヒット作を世に送り出してきました。 著作活動を始めたのは92年。小学校から大学に入るまで13年間を過ごした「名古屋」をテーマにした本がベストセラーとなり、その後「信州」「博多」「札幌」「広島」「鹿児島」を取り上げることに。それぞれの土地柄とそこに住まう人々の気質を探る本を書いたところ、どれも皆ヒットしました。「その地に生まれ育った人が驚く」という狙いが当たったようです。地域別に取り上げたものを横一線に並べ比較してみようという発想で生まれたのが「県民性」をテーマにした本。こちらも多くの方が支持してくださいました。 いま思い起こしてみると、小学生のころから地図帳が大好きで、『日本の国土』『世界の国々』という本
は、かがり糸が擦り切れるまで繰り返し読んでいた私。その一方で、スポーツ全般の記録に強く惹かれました。高校時代はラグビーに打ち込むとともに、ポピュラー音楽を聴きまくります。The Beatles もRolling Stones もリアルタイムで体験できたのですが、おかげで学校の勉強のほうはすっかりお留守に。しかし、「好奇心」が導いてくれた種々の経験によって得たものがことごとく、いまの仕事に生きているのは幸せです。 年齢を経るとともにますます燃え盛る「好奇心」を武器に、これから先、さらに著作活動に打ち込んでいこうと決意しております。
プロフィール
《略歴》 1950年11月26日生まれ。三重県志摩市から東京を経て、57年から69年まで名古屋に。愛知県立明和高校から東京大学文学部を経て、出版社に勤務。84年、出版プロデュース・企画・編集を主要業務とする株式会社エディットハウスを設立、今日に至る。