ボッティチェリのあとフィレンツェ風「もつ煮込み」のはずが……

2015年3月26日
今日も朝から素晴らしくいい天気です。フィレンツェは今回が3度目の訪問。しかし、最初のとき(2001年8月)はほとんど観光らしい観光をしていません。このときは、結婚でフィレンツェに来て間もないIさんに会いにきたようなものでしたから。今回こそはと、それなりに思い描いていた予定もあります。その一つがウッフィツィ美術館。

しかし、今回のように連休の時期と重なっていると、大変な数の人が訪れます。早めに朝食を終え、午前8時には美術館まで行ったのですが、すでに100人近い行列ができていました。私たちは60~70人目あたりでしょうか。行列するのは、基本的に当日券を買うため。スケジュールをきちんと立てている人は予約を済ませているので、バウチャーを見せたり確認のメールを見せるだけですぐ中に入れます。

Dsc_0456本来の開館時間は8時15分ですが、私たちは40分ほど待たされてから、やっと中に入れました。しかし聞きしにまさる広さ、スケールの大きさには正直驚きました。展示スペースの始まりは3階。そのため、中に入ると階段で3階まで上がっていかなくてはなりません。3階といっても、天井がえらく高いので、実際には5~6階分あり、そこまで歩いて一気に上るのはとんでもない苦行。家人など、やっと入り口に着いたころには息があがっていたようです。

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ローマ時代からルネサンス期までの絵画、彫像が、70以上ある大小の展示室と廊下、壁、天井にこれでもかこれでもかというほど展示されており、しまいにはもうご勘弁をという感じでした。ボッティチェリの「ヴィーナス誕生」とか「春/プリマヴェーラ」とか、その昔美術の教科書で目にした作品をナマで見ると、やはり感慨深いものがあります。

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1時間以上かけて見終わり、外に出たときはむしろほっとしました。通りに出ると、好天で温暖ということもあり、大変な人出でにぎわっています。とりあえず中央市場まで歩いたのですが、建物のまわりにテントを張っただけの小さな店がびっしり並んでいました。ほとんどが革製品ですが、雑貨や工芸品を売る店もあります。


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中に入ると、ここもやはり人また人。とくに、有名な「ランプレドット(lampredotto)=もつ煮込み」のサンドイッチ(パニーノ)を出している店はどこも長い行列ができています。ところが、この行列がクセモノで、地元の人でなければ注文できない雰囲気が……。こうすればいいのではないかとなんとなく想像はつくのですが、あまりの人いきれに圧倒され、あきらめました。だったら2階のフードコートでと思い上がっていったのですが、こちらはさらにひどい混雑。結局、すわってメニューを指させばOKといった感じの店に入ることにし、下までまた降りていきました。

ハンガリー系とおぼしきイタリア人夫婦がやっているカウンターだけの店で、写真と実物を見て注文し、ようやく昼食にありつけたしだい。店のオバチャンが次々訪れる客の注文をどんどんさばいていきます。その中には、ドイツ人もいればアメリカ人、韓国人、ロシア人もいて、それぞれの言葉をあやつりながら客をさばき、追加注文を聞き、最後お勘定までこなしているのを見ると、「すごい!」のひと言です。前にヴァチカン宮殿前の広場に屋台を出しているオッチャンがそれこそ10カ国くらいの言葉を平気であやつっている場面を目にして驚いたことがありますが、そのとき以来の衝撃でした。さすがイタリアです。


昼食後、すぐ近くのサン・ロレンツォ教会の脇にあるメディチ家礼拝堂を観て外に出ると、「疲れがどっと出てきちゃって」とのたまう家人と一緒にホテルに戻りました。シエスタですね。途中、ヴェッキオ宮前のシニョリーア広場にあるジェラテリで買ったアイスクリームのおいしかったこと。ひと口食べて顔をほころばせる家人の顔を見て思わずシャッターを押してしまいました。

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Dsc_0516ホテルに戻ったら、家人は言葉にたがわず即お寝み。私はといえば、その横でブログを書いたり日本から送られてくる仕事を処理したり。ミラノのホテルもそうでしたが、USBファイルを持っていけばすぐプリントできるスタイルになっているので大助かりです。