街全体が世界遺産のシエナに大感動!

2015年3月25日
今日は朝からシエナに行きました。天気もよく、最高のドライブ日和。こちらに来る前まではガイドブックとにらめっこしながら、いつ、どこに行くか、あれこれ悩んでいました。何せフィレンツェというところは見どころが多すぎるのです。ミラノの3倍、いや5倍ほどのページが割かれているくらいですから。しかも、今回の目標である「Scoppio del Carro(山車の爆発)」の前後は観光施設も臨時休館がけっこう多く、行き先が制限されます。もっとも、「復活祭」自体が国民の休日になっているとあれば、それもいたしかたないのかなと。

結局、日本を出発する直前に考え方を抜本的に変え、キホン出たとこ勝負で行くことにしました。ウッフィツィ美術館に行く日時も、現地で決めようと。ただ、今日のシエナ行きだけは、フィレンツェ在住の元社員Iさんのご主人が休みを取ってくれ、シエナ往復のドライバーを買って出てくれたため、予定を変更するわけにはいきません。朝9時半過ぎに出発、11時にはシエナに着きました。

シエナには特別な思い入れがあったわけでもないのですが、観光ガイドを見ると、けっこうページも費やされています。何より町自体が「世界遺産」というのが魅力です。中世のおもむきがそっくり残っているとありますし、イタリアならどこの町にもあるドゥオーモが素晴らしく美しく、とくに中の壁画や装飾はすごいと。

Dsc_0307実際、全体が世界遺産になっている旧市街を歩いてみると、まさしく中世がそのまま残されている印象を受けます。今日から3連休ということでイタリア人の姿も多いようで、細い道はかなり混雑していました。駐車場から15分ほど歩いたところにあるのがカンポ広場。こうした広場にしては珍しく、傾斜地に作られており、しかも四角形とか正方形ではありません。なんと扇型なのです。扇の要に位置しているのが市庁舎で、これがまたユニークな色合いをした建物。これだけでも見る甲斐があるくらい美しい広場でした。全体が傾斜しているので市庁舎の前で何かイベントでもあれば、そのまますわるだけで見渡らせる感じがします。

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Dsc_0353聞けば、毎年、日本のお盆にあたる時期に、この広場では「競馬」がおこなわれるのだそうです。お土産屋さんの店先に、その様子を撮った写真が飾られていました。それを見ると、中央部にびっしり観客が立っています。競馬がおこなわれのはその周り、広場を囲む建物の前にも見物客が立っていますから、競馬そのものはその部分とまわりの建物との間に生まれるスペースでおこなわれるわけですね。これはかなりスリリングではないでしょうか。一度、この目で見てみたいものだと、本気で思いました。騎手も観客も、このときだけはバカンス先からシエナまで戻ってくるのだとか。そのくらい、シエナの人たちの血を騒がせる魅力に満ちているのでしょう。

昼食は広場近くの、なんということのない食堂。家族経営といった感じがありありですが、メニューはどれも魅力的。生ハムやサラミなどを、ちぎった揚げパンに乗せて食べるだけなのですが、パン自体がすこぶるおいしいので、それだけで合格! といった感じがします。しかも、ハム、ソーセージの類はさすがイタリア、日本の比ではありません。しかも、値段がメチャ安です。

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Dsc_0400_3食後はドゥオーモの見学。教会の見学というと、ヨーロッパではたいがい無料ですが、ここはなんと20€も取ります。日本でいうなら2600円くらいでしょうか。しかし、それだけの金額を払った価値は十分、いやそれ以上ではないかとさえ思いました。というのも、普通は足を踏み入れることのないドゥオーモの屋根裏──地上5~6階ほどの高さでしょうか──にまで上がることができ、そこから内部をすべて見下ろせるのです。極端に狭くはあるのですが、テラス(というより通路ですね)に出ると、外の景色も見えます。「トスカーナの田舎」という言葉をよく耳にしますが、まさしくその光景が目の前いっぱいに広がっていました。ほかの教会では経験したことがないこのこと一つ取っただけでも、一見の価値は十分です。

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このドゥオーモの外壁は白地に黒の横縞。それだけでとてもユニークな印象を受けます。なかでも、ファサードの美しさは天下一品。教会建築についてはまったくの門外漢ではありますが、時代や地域によっておそらく大きな違いがあるのでしょう。ゴシックだのロマネスクだのルネサンスだのビザンチンだのといったこととは別にです。

気がついたらあっという間に5時間以上が経過しており、駐車場に戻ったときはすでに5時近く。車のフロントグラス、ワイパーに「駐車時間超過」を告げる警察の紙切れがはさまっていました。

 

Img_1049_20160326_2ホテルに戻りひと仕事したあと、Iさんのご主人推薦の、フィレンツェでもおそらく5本の指に入るであろうピザ店「I’ Pizzacchiere」で待ち合わせ。市内に2000軒近くあるレストラン(ジャンルを問わず)の中でも評価が24位という店だそうですが、ホントおいしかったです。フィレンツェ風のピザは、生地全体が薄く、端っこまで肉やら野菜やらチーズやらがびっしり乗っかっているのが普通だそうですが、この店のものは端っこが川の堤防のようにこんもり盛り上がっています。地元っ子はそれが不満のようですが、この店の女主人は方針を変えようとしないのだとか。

 

 

Img_1050_20160326ピザもさることながら、しかし、デザートで食べた「Nutella Dolce」は圧巻でした。これは焼いたピザ生地で「Nutella」のチョコレートクリームを巻いたもの。しかも、チョコレートクリームの部分だけで厚さ2センチ、幅が6~7センチ、長さ25センチほどあります。それを私たち5人で3個分もたいらげてしまました。イタリアでも「Nutella」のチョコレートクリームをここまで大量に使ったデザートはめったにないので、わざわざ「Nutella」という言葉を使っているとのこと。日本でも早くどこかの店で食べられるといいなと、正直思いました(ただし、日本で食べられる「Nutella」はオーストラリア製だとか)。