駅と街の姿は変わっても、住まう人は……

●読んだり見たり聞いたりして興味を引かれた事物があったら、可能なかぎり自分の五感で確認しないと気が済まないのが私の性分。それができずにいると、ストレスがたまってしまいます。というわけで、先日の山陰ツアーでご一緒した高齢の姉妹から聞いた西武池袋線富士見台駅近くの中華料理店に、さっそく行ってみました。テーブルが5つしかなく、私たちがすわると、開店直後だというのに早くも満席。

●メニューには、「メリハリのある力強い後味をめざす」と、オーナーシェフの言葉が。ジャコと青ピーマンの炒飯にトライしてみると、見かけとは真逆であっさり・さっぱりした味つけなのですが、たしかに後味はしっかりしています。BGMで流れるシャンソンの影響かもしれません(笑)。

●帰りの電車に乗ると2つ目が、1993年から2004年まで住んでいた石神井[しゃくじい]公園駅。ふと思い立ち降りてみたのですが、高架化と同時に駅周辺が大々的に再開発されたため、以前の面影がほとんどないのです。観光案内所までできていたのには驚きました

半世紀ほど前の石神井公園駅北口はこんな具合でした(練馬区HPより借用)

。●そういえば、かつて私の住んだ町にある中央線の武蔵境駅も、西武池袋線のひばりヶ丘駅も、京浜東北線の川口駅も、都電の鬼子母神[きしぼじん]停留所も、その周辺は大変貌。もともとの雰囲気を残しつついま風になっていればいいのですが、後者だけが際立ってしまうと、没個性になりかねません。ただ、見かけはどうあれ、街の個性・空気感を作るのはやはり、そこに住まう人々ではないかという気がします。(2022/5/5)