イタリアにスタバがない理由

2016年3月23日

1日目の張り切りすぎがたたってか、朝からどっと疲れが。やっとのことで昨日決めておいたカフェまで行って朝食。その足でドゥオーモに向かい、入場券売り場に直行。9時前だったので、人の姿はまだまばらで、すんなり中に入ることができました。しかし、入り口の警備は軍隊が担当しており、非常に厳重です。もちろん、イタリア的にですよ、念のため。

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中の壮大さは、普通のドゥオーモ(聖堂)が4つくらい合わさったほどのスケールといえばいいでしょうか。ぶったまげました。それでも、尖塔部分の高さは世界のベスト10にも入っていません。いちばん高いドイツのウルム大聖堂のそれは161・5メートルもあるといいますし、私たちも行ったことのあるケルン大聖堂が157・4メートル、ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂が132・5メートル、フィレンツェのドゥオーモが107メール。ここミラノはたった84メートルなのですから。

Dsc_0154屋上にはエレベーターで上がりました(さすがに歩いていこうという気にはなれませんでした)。しかし、眺めはすばらしかったですし、それ以上に、ドゥオーモ屋上の造作の素晴らしさ! 外壁の彫刻や数多くの小さな尖塔も手が込んでおり、これには驚く以外ありません。


ドゥオーモを見学したあと一度ホテルに戻りました。ひと休みしたあと夕方近くになって、最近人気だというナヴィリオ運河まで行くことに。運河なので淀んではいるのですが、雰囲気のいい場所です。若い人がたくさん集まっていることからもわかるように、教会や美術館だけではないミラノの別の一面が垣間見えました。

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Dsc00199夕食は、地下鉄の駅近くにあるピッツァリアで。ピザのスモールサイズ2枚とサラダ、あとミラノ風カツレツを頼もうとしたら、最初の2品を書き留めたところで、店員が「もうやめときなさい。それ以上は無理。うちのメニュ-はみな特大だからね」とストップをかけるではありませんか。実際に食べ始めてみると、そのとおり。貴重なアドバイスに感謝しながらホテルに戻りました。

去年訪れたときにも感じたことですが、イタリアではスタバを見かけません。ローマでも出くわすことはありませんでした。ミラノも、昨日・今日と主だった観光スポットを歩きましたが看板はなし。もっとも、エスプレッソコーヒーのおいしさを考えれば、スタバの出番などあろうはずもないでしょうが。

実際、イタリアのコーヒーはおいしいのです。エスプレッソは「ダブル」で注文しても、デミタスのカップ、下3分の1ほどしか注がれていません。3口で飲み干すのが正しいという話を聞いた記憶がありますが、それこそひと口でもOKといった感じです。でも、味の奥行きというか深みが素晴らしく、日本の薄口エスプレッソなど、足もとにも及ばないといっても過言ではありません。


私のようになまじ「NESPRESSO」で“騙されて”きた者からすると、最初はその濃い味にびっくりします。「これがイタリアのコーヒーなんだ!」ということがわかると、「NESPRESSO」のいい加減さには怒りさえ覚えます。要はインスタントのエスプレッソでしかありません。どんなによくできているとしても、インスタントはしょせんインスタントなのですね。