埼玉で新発見──中山道バスツアー①

●先週の土曜日から「中山道69次バスツアー」に参加しています。コロナ禍の中、6泊7日という長丁場。不要不急もいいところですが、ままよとの思いで出発しました。中山道の宿場で知っているのは木曽の妻籠[つまご]、滋賀県の草津くらいのもの。最初の宿場が板橋だと知ったのも、つい何年か前のことです。
●昨年12月の「東海道53次バスツアー」と同じく、東京駅から出発し起点の日本橋へ。しかし、次の下車地が埼玉県の蕨[わらび]だったのには驚きました。いまでこそ東京駅から電車で30分ほどですが、日本橋からの距離は4里少々=約20km。初日に歩く距離としては頃合いなのでしょう。浦和や大宮をしのぐ宿場だったのは当然かも。
●3カ所目の埼玉県桶川[おけがわ]も、蕨ほどではないものの、宿場町の痕跡は希薄です。東海道より川止めのリスクが少ないので、西から江戸にのぼる際は中山道を選ぶ旅人も多かったとのこと。それでも”裏街道”のイメージはぬぐえません。この日最後の訪問地・深谷は渋沢栄一の生誕地としてすっかり有名に。生まれ育った家、駅前と、そこかしこに銅像・石像が。古希や喜寿を祝って贈られた建物が東京から移築されたりなど、町は渋沢一色なのですが、中山道との結びつきとなるといまひとつの感があります。こうして初日は、”埼玉新発見”に終始しました。
●1日目の宿泊地は群馬県高崎。ここも初めて訪れた町でしたが、さすが中核都市、たいそう繁栄しているようです。「どの路でも足の向く方へゆけば必ず其処に見るべく、聞くべく、感ずべき獲物がある」とは、国木田独歩「武蔵野」の一節。ツアーなので、足は向かわされてしまうことになりますが、それでも「獲物」にはありつけるはず。ガンバロ〜!
(2021/4/10)

Facebook Post: 2021-04-12T21:28:56