映画「いのちの停車場」が教えてくれた人間愛の重み

●東映の会長をされていた故岡田裕介さんとのご縁で、「いのちの停車場」の試写を観させていただきました。東京の大学病院を辞め故郷・金沢にある在宅医療専門の「まほろば診療所」に移った女医(吉永小百合)が主人公。
●末期ガンや難病にさいなまれる人が人生の最期を迎える病者が選択する在宅医療では、治療する側・される側がそれぞれのホンネがぶつかり合います。病者の生き方を第一に考える「まほろば」のスタンスは、治療・救命を重視する通常の医療とは大きなへだたりが。病[やまい]を媒介として生まれる家族愛にも通じる絆、治る・治らないとは別次元の、人間のありようを深く考えさせられました。「まほろば」とは古語で、「素晴らしい場所」「住みやすい場所」「楽園」などを意味する古語。でも、それと病気が治ることとはイコールではないようなのです。
●1年以上にわたって私たちを苦しめているコロナ禍に対処する首相の言葉、話しっぷりは「覚悟に欠けている」と批判されますが、それより以前に、人としての「愛」が感じられません。見えるのは、「何がなんでもオリンピックはやる!」という姿勢ばかり。3回目の緊急事態宣言の中途半端な期間設定にはそれがさらに露骨に出ています。
●と怒りたくても、それをどこにぶつけたらいいのやら。政府がどんな方針を打ち出そうが、都が何を要請しようが、最後の砦は自分を守る意思と行動。まずは免疫力のアップですね。試写会のあと手土産で頂戴した松花堂弁当は、見ただけでパワーをもらえそうな感じがしました。それにしても、こんな贅沢なお弁当があったとは!(2021/4/24)

Facebook Post: 2021-04-25T09:47:38