2日連続で文化漬け──私の「マイクロツーリズム」⑳

●初夏の心地よい日を浴びながら自宅を離れ、文化にひたってきました。6月1日は目白の自由学園明日館で講演会、そして昨日は上野・国立博物館の鳥獣戯画展。講演のタイトルは「歴史的建造物の楽しみ」。この種の建物はときおり、修復作業のため大々的な工事がおこなわれます。工期もハンパない長さです。
●私のような貧乏性は、そうした場面に出くわそうものなら、「せっかく来たのに」とガックリきてしまうのが通例。何年か前、奈良の唐招提寺を訪れたときがそうでした。でも、講師の明日館副館長・福田竜さんはそうした受け止め方をやんわり戒めてくれました。そうしたときにしか目にすることのない景色に触れられることもあれば、建物の骨組みなど、ふだんなら見られないものに接する楽しみもあると。
●フランク・ロイド・ライトの設計であまりに有名な明日館も今年で築後100年。たびたび存続の危機に瀕しながらも保存が決まり,重要文化財に指定されてからは動態保存=使いながらの保存に取り組み、多くの人が訪れる施設に生まれ変わったといいます。春のお花見会、結婚式、テレビドラマやCMの撮影など、利用のされ方も多様。近代建築物なので、神社仏閣よりつぶしの利いた利用のされ方が可能なのでしょう。
●鳥獣戯画は、小学3年の孫にせがまれてのこと。期間が緊急事態宣言とすっかり重なってしまったため、一時はあきらめていましたが、なんとか予約できました。会場は予想より混んでいましたが、それもそのはず、全4巻一挙公開は史上初ですから。第1巻は長さ11.5メートルを越える巻物ですが、それを”動く歩道”に乗ったまま観られるというアイデアも大ウケ。もっとも孫は、観覧後のお土産買いのほうが楽しかったようですが。(2021/6/2)

Facebook Post: 2021-06-04T09:55:53