1年前の熱気はどこに? ラグビーの復活を願う今日この頃

●1年前の昨日(10月13日)は、日本のラグビーファンにとって、もっと言うなら日本という国にとっても、輝かしい歴史を刻んだ日でした。そう、ラグビーW杯でスコットランドを倒し、決勝トーナメント進出を決めたのです。史上初の快挙でした。5年前南アフリカに勝つのを現地で目の当たりにしたときも全身が震えましたが、昨年はそれ以上でした。南ア戦は遠く離れたイギリスの地でしたからスタンドにいた日本人は2千数百人。でも去年は横浜で、観客も6万8千を数えました。熱気の差は歴然で、その後も何日か興奮が冷めなかったほど。でも、あれから1年、今年はラグビー🏉の「ラ」の字もありません。
●それもこれもコロナのせいなのですが、今年から日本のラグビーの位置づけは変わるという期待はすっかり希薄に。半月ほど前からスタートした大学ラグビーも、W杯以前に戻ったような感じがします。こうなると、年明けから始まるトップリーグを待つしかありませんが、それもコロナ次第。ニュージーランド、オーストラリア、またフランスでは国内のリーグ戦もおこなわれているというのに、なんともさびしい限りです。
●にわかファンの目からしても、ラグビーはあらゆるスポーツの中で「密」の度合いが格段に濃いのではと思えるでしょう。実際そのとおりで、フォワード(8人)どうしで組み合うスクラムはもちろん、ラック(敵味方でボールを奪い合う状態のうち、ボールがグラウンド上にある場合)やモール(ボールを選手が持っている場合)も、3〜10数人の選手が上を下へ、前に後ろに、タテ横斜めに入り乱れてプレーしているのですから、誰かが感染していたら…と考えると怖くなります。
●そうしたことへぬ対策を講じた上でニュージーランドやオーストラリアは、従来とは方式を変えてではありますがリーグ戦を実施。相変わらずハイレベルの試合を見せてくれました。先日おこなわれた両国のテストマッチも素晴らしい内容で、テレビ画面からもスタンドの熱気が伝わってくるほど。日常生活の中にラグビーが定着しているんだなぁと思わずにはいられません。W杯の盛り上がりで日本もそうなるきっかけをつかんだのですが、いまやほとんど元の木阿弥に。そんな中で希望を託したいのが来年1月に始まるトップリーグ。先の両国や南アから一流プレーヤーが加入したチームが覇を競い合うので、いまから楽しみです。それまでに収束とは言えないまでも、コロナ禍がなんとか落ち着くといいのですが。

Facebook Post: 2020-10-14T07:51:41