早朝、夕方、夜と「フラワーカーペット」3回楽しみました

2012年8月15日
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今日から「フラワーカーペット」が始まります。早起きしてグランブラスまで行ってみると、ベゴニアのじゅうたんがみごとに完成していました! 75×24メートルの広さ(1800平方メートル)に60万本もの花。それを、ボランティアの園芸職人さん(100人ほど)たちが1日がかりで置いていったのです。専門家が描いた設計図というかデザイン画に従って、1平方メートルあたり300本もの花を1本1本ていねいに置いていくことを想像してみてください。1人が担当するのが18平方メートルとしても300×18で5400本! 考えただけでも、気が遠くなりそうになります。

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ベゴニアは西インド諸島原産。強烈な日差しにも寒さにも、また雨や風などの荒天にも強い花なので、夏のヨーロッパでも4日間ならなんとかその美しさを保てるのだそうです。「フラワーカーペット」は毎年テーマが設けられ、今年は「アフリカ大陸」。そのせいか、黄と赤のほか、黒も目立ちます。それと、アフリカ原住民が使っていた盾でなじみ深い幾何学模様緑(ケニアの国旗を思い浮かべてみてください)。壮観というか、なんとも素晴らしい光景に息をのんでしまいました。

L1040357朝から美しい花で心を癒されたのもつかの間、今日はワーテルローの古戦場まで足を伸ばす予定で、午前中から暑い中を列車に乗りました。ワーテルローはおよそ200年前、ナポレオンとプロシア・イギリスの連合軍が激しい戦闘を繰り広げ、ナポレオン軍が負けたところです。イギリス軍を率いたウエリントン将軍の名をつけた博物館を見たあと軽くランチ。そこからバスで古戦場まで行くと、周囲は何もない平地の真ん中に小高い丘があります。ライオンの丘というのですが、200段以上ある階段を上っていくと、広大な古戦場がパノラミックに見えました。

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有名な古戦場はどこでもそうだといいますが、要するに周りに何もない場所。まわりのどこかに数多くの兵隊が陣地を敷いているのですが、そこから双方が馬に乗ったり歩いたりしながらぶつかり合ったわけですね。ライオンの丘の下にパノラマ館という施設があり、そこで戦いの一部始終を映像化し流していました。期待していたほどではありませんでしたが、まあ、行ったことに意義があるということで。

夕方ブリュッセルに戻り、乾いた喉をうるおそうと、またまたビールを。ホテルのラウンジの屋外エリアで、「パウエル クワック(Pauwel Kwak)」という、一風変わったビールを飲みました。独特の形をしたグラスに入れて飲むのですが、これには理由があるそうです。

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もともとデンデルモンド(アントワープから電車で20分ほど)という町で、宿屋を経営していたパウエル・クワック(醸造士でもある)が、毎日そこに立ち寄る郵便馬車の御者のために、馬の鐙【あぶみ】にすわったままビールを飲めるグラスをということで考案したものだそうです。味もベルギーのビールらしい甘みが際立っていました。クリームのように泡がふんわり盛り上がった状態で出てきますが、その下には明るい銅色をしたビールが。アルコール度はやや高く、味は濃厚です。

この日までほとんど毎日、昼・夜とあれこれビールを試してみましたが、これがいちばんおいしかったというか、私の舌には会いました。ついでながら、家人はこのとき「リンデマンス・フランボアーズ」というビールにトライ。フランボアーズとは木イチゴのことで、強い香りがします。ビール特有の苦味はほとんどなく、木イチゴの甘ずっぱさが印象的でした。

ユニークなおもちゃ屋さんをのぞいたりしながらグランブラスに行くと、市庁舎の2階バルコニーからフラワーカーペット全体を見下ろすことができるとわかり、さっそくチケットを買いました。2回に上がり、テラスのような外廊下から見下ろしてみると、みごとな“作品”であることがよくわかります。よくもまあ、こういうイベントを考え出したものだと、そのアイデアに感心しました。

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L1040378夕食は、タルタルステーキとムール貝を食べました。そのあとグランブラスに立ち寄ってみると、夕方よりさらに多くの人でにぎわっています。期間中は夜10時になると、広場の4隅からライトアップされ、花火も打ち上がるのです。またステージも設けられており、そこではコンサートもおこなわれていました。

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