悲願達成! JAPAN、決勝トーナメントに

2019年10月14日
昨日午前11時前、PCを立ち上げ「ラグビーW杯」のサイトを立ち上げると、待望の画面が──。

よかったー! 昨夜観戦の予定だったイングランドvsフランス戦は中止、釜石のゲームも今朝早くに中止が決定。どうなるのかなぁと心配していたのですが、開催が決まったのです。

「……様々な可能性を慎重に検討した結果、一部の観客サービスを行わないことを前提に予定通り試合を開催する……
本日早朝より会場にて台風による影響を検査した結果、一部施設の破損は見られるものの、試合開催が可能であると判断しました。しかし、公共交通機関の乱れに伴うスタッフ不足や、設備の破損等により試合開始時間までに準備が整わない一部の観客サービス(※注)については、お客様の最低限の安全な観戦に影響しない範囲で、実施を取りやめ、試合運営を行う事とします。
※注:一部売店の休業、移動販売員の減員の可能性など」
ただし、スタッフの不足やインフラ復旧の遅れで売店の一部が休業を余儀なくされるため、飲み物もそのままで持ち込みOKだそうです。

ラグビーは、雪が積もってグラウンド上のラインが見えないとなれば別ですが、それ以外は何があってもやると教えられてきた私。台風くらいで中止にしていいのかといのが正直なところですが、今朝のテレビニュースを見ていると、被災された人も全国各地にたくさんおられるのに、こんなときに楽しんでいて大丈夫なのかという、別の思いもきざしてきました。それでも、ここでスコットランドと戦わぬまま予選プールが終われば、日本人にとってW杯の意義は半減してしまいます。たとえ、それで決勝トーナメントに進めたとしてもです。まして負けたりすれば、JAPANのW杯はジ・エンド。そうならないためにも、ここは勝つのが、台風で被災した地域の人たちへの大きな励ましになるのではないかとも思います。そして、私たちにも楽しみを分けてほしい!!

前回、JAPANは予選プールで同じ組にいて、南アフリカに“世紀の大番狂わせ”をやってのけた4日後にスコットランドと対戦。中7日で臨んだスコットランドの前に大敗し、その後サモア、アメリカに勝ち3勝をあげたものの、ボーナスポイントの差で決勝トーナメントに進めませんでした。もっとも、そのときは「南アに勝ったから、ま、いいか」くらいにしか思わなかったのも事実です。これでスコットランドにまで勝ったらできすぎ」だと。

でも、今回は違います。つい先日まで世界ランキング1位だったアイルランドを倒し、ボーナスポイント付きでサモアにも勝ってここまで来たのです。勝つか引き分けで決勝トーナメントに進めるとなれば、これは何がなんでも勝ってもらわなければなりません。よしんば負けても、4トライ以上あげ、なおかつ7点差以内ならボーナスポイント2を獲得できるので、スコットランドの上に立つことができます。もっとも、ヘッドコーチのジョセフ・ジェイミーも選手たちも、そんなことは考えていないでしょうが。徹底的に打ちのめす──ただそれだけです。もちろん、私とてそれは同じ。

一昨日の夜、サモアがアイルランドに屈しました。試合前の「シバタウ」は気合が入っていましたが、地力の差はいかんともし難かったようです。

結局、昨夜の段階で決勝トーナメントを決めたのは、プールAがアイルランド、同Bがニュージーランド、南アフリカ、同Cがイングランド、フランス、同Dがウェールズとオーストラリア。残るはプールAのひと枠。ここにJAPANが食い込めば、これまでえんえんと続いてきたティア1の国々によるベスト8独占に歯止めをかけることができるのです。

新横浜の駅からスタジアムに向かう観客の出足も心なしか早いよう。気持ちが急いているせいもあるのでしょう、皆、早足です。この3週間で、日が落ちるのもすっかり早くなり、5時半過ぎなのに、空は薄暮というより、夜寸前。台風が過ぎ去った直後とあって、なんとも言えない色をしています。それが何を暗示しているのか、知るのは勝負の神だけです。

試合前のウォームアップを終えたリーチマイケル主将以下、選手たち気合い満々。烈々たる闘争心と勝利への意欲が感じられました。そんなJAPANに、空に浮かぶ満月が微笑んでくれるとよいのですが。

 

さて、試合のほうはキックオフ後6分で、早くもスコットランドがトライ。これに対しJAPANの1本目は福岡堅樹からのオフロードパスを受けた松島幸太朗、2本目はなんと、FW第1列の1番・稲垣啓太。圧巻は3本目、タックルして相手のこぼした球をつかみ取った福岡が独走。表の役者、裏の役者のそろい踏みです。

後半も開始早々に福岡がトライを決め、一時は28対7に。一瞬、私の頭には前大会のスコア=10対45が頭に浮かびました。この調子なら、同じスコアでリベンジがかなうのではないかと。でも、それは甘かったようです。スコットランドはそんなにやわではありません。そのあと5分間で2つのトライを決められてしまいました。25分以降はお互い、長いフェーズの攻防が連続。

それにしても、時間の経つのがこれほどもどかしく感じたことはありません。あと10分、あと5分、あと2分、1分……。選手はもうヘトヘトだったでしょうが、耐えきったJAPAN! 観衆のカウントダウンの中、勝ちました。みごと、4年前の溜飲を下げることができました。

これでW杯史上初めて、予選プールAを1位で突破したJAPAN。次はクォーターファイナル(準々決勝)で、相手はプールBを2位で突破した南アフリカです。望むらくはもう一度ジャイアントキリングを。“二度あることは三度ある”ともいいますから。

 

 

スタジアムを後にするファンも、余韻にひたりたいせいか、これまでのどの試合よりゆっくりした足取りです。だれもが、決勝トーナメントはどこまでやってくれるだろうか、期待にワクワクしているにちがいありません。