ナマの神楽を初体験

7月17日
生まれて初めて「神楽」をナマで観ました。『広島学』の取材をしているときに、広島がその本場であることを知ったのですが、今日、RCC(中国放送)主催の神楽イベントがあったのです。
広島県北西部に伝わる神楽は石見(いわみ)神楽の流れを汲み、「芸北神楽」と呼ばれています。普通の神楽に比べ、軽快で激しい囃子に乗せた舞いが特徴らしく、この地方では子どもからお年寄りまで、幅広い人気があるといいます。

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また、石見神楽同様、演劇の要素が濃く、大衆芸能(エンタテインメント)として発展してきたとのこと。この日私たちが楽しんだのも、「悪狐伝」「道成寺」「土蜘蛛」「紅葉狩」といった、能・狂言や歌舞伎の演目をもとに生み出された作品でした。
奏楽は、大太鼓、締太鼓、銅拍子(手打鉦)、横笛で構成され、大太鼓の奏者がリードしていました。演奏しながら演目に合わせた神楽歌(舞歌)を唄ったりかけ声をかえたりしながら、雰囲気を盛り上げます。最初のうちはおおむねゆったりとしていますが、物語が進み鬼と神との格闘といったクライマックスの場面になると、一気に激しく速いテンポに切り替わります。
途中、おかめやひょっとこが登場し、本来のストーリーとうまくからめ合わせながら、観客の笑いを誘うのも興味深く感じました。しかも、セリフが広島弁ですから、なおさらです。
この年齢になって初めて経験する芸能があること自体、驚いたのですが、世の中なんて、案外そんなものかもしれません。