同じ場所も、コースが変わると初めてのよう

2019年7月8日

朝7時過ぎから、添乗員さんと一緒にホテル近くを小1時間散歩しました。「トームペア城」「キーク・イン・デ・キョク・ネイツィルトン」塔の横にある坂を上って下るだけでしたが、上り切ったところで目にした風景を見て、4年前のことを思い出しました。旧市街の中心エリアから客を乗せて30分ほど走る馬車に乗ったとき通った道を横切ったのです。国会議事堂の前を走る通りの手前のところでした。同じ場所でも、どこからどうアプローチするかでまったく印象が違うので、気がつくまで少々時間がかかった次第。日本大使館があるのも初めて知りました。

朝食後の観光も最初は早朝と同じコースをたどります。「アレクサンドル・ネフスキー聖堂」(ロシア正教の教会できらびやか)「大聖堂」(こちらはプロテスタントのため質素な造り)を見て展望台へ。その先は急な坂を下り、「聖ニコラス教会」を経て旧市庁舎のるラエコヤ広場へ。4年前のときと違い、今日は広場が小さなテントで埋め尽くされていました。衣料品や民芸品、アクセサリーや小物、お土産品など、40近くあったでしょうか。

     

  

今日のランチは事前に用意されておらず、「自由」。ただ、ヴィリニュスでもそうでしたが、参加者のほとんどは知識がないので、ほとんどが添乗員さんの教えてくれる店に行くことになり、結果としては通常と同じスタイルになります。

この日は広場近くの“中世料理”を食べさせる店とのこと。「中世」とくれば、たぶんジビエっぽい感じでしょう。こちらに来てからずーっと“肉攻め”にあっていたので、現地ガイドの女性に「どこか、近くに中華のお店はないですか?」と聞いてみました。すると。「あるにはありますけど、ちょっとお勧めできません」とのこと。しかたなく、とりあえず添乗員さんについて行ってみると、広場の裏手にある「Olde Hansa」という店でした。

店構えは、いかにも“中世”っぽい感じで、前を通れば「おやっ」となるような店ではあります。しかし、中に入るともっとリアルな“中世”で、照明はすべてロウソク。テーブルやイスも分厚い木で造られていて、ギシギシいう階段を上がり2階へ。ちょっと……という感じがしたので、席に着く前にリタイアを宣言、店を出ました。これといってアテがあるわけではなかったのですが、4年前に入ったカフェを思い出し、そちらに行きました。小さな店ですが、幸い混み合ってもおらず、オープンサンドとサラダ、カプチーノで済ませることに。肉、肉、肉でかなり疲れていたので、ライトな量がころあいでした。デザートのカプチーノ・ケーキも、ほどよい甘さ。

 

午後はバスで15分ほど走り「野外博物館」へ。海っぷちの森の中にある施設なのですが、とてもよくできており、ひと回りすると当地の人々が昔どのように暮らしていたのかがよく分かるというコンセプト。農家、漁師の家、風車、学校、教会などが点在する中を1時間ほどかけてゆっくり歩きます。どの建物も単に保存されているだけでなく、それっぽい服装をした係員が中におり、いまもそこで誰かが暮らしているかのような感じがします。木々の中を縫うようにして整備された遊歩道も広く、フィトンチッドが目に見えてるよう。日本で夏の真昼にこんなところを歩けば汗びっしょりでしょうが、最高気温が20℃にも行かない今日のタリンでは、そんな目に遭うこともありません。