ディキシーランド・ジャズを見直す

ジャズの好きな人ならだれでも、一度は通り過ぎているはずのディキシーランド。さほどジャズと縁がなくても、『ベイズン・ストリート・ブルース』とか『聖者の行進』といえば、「ああ、あれか」とうなずく人は多いでしょう。行進曲風のリズムとメロディーラインが初期のディキシーランドの特徴なので、親しみやすさという点では、ジャズの中でもいちばんではないかという気がします。

ただ、それだけに単調で……と、私自身も思っていたので、昨日の「浅草ニューオーリンズ・ジャズ」のコンサートは、目からうろこが落ちるといった感じで聴きました。これまでそっぽを向いていたのは申し訳なかったなとすら思ったしだいです。

Rimg0007 ディキシーランド・ジャズが生まれたのはアメリカ南部ルイジアナ州ニューオーリンズ。20世紀の初めごろに発達し、それが1910年代、シカゴやニューヨークに広まっていったことで、今日のジャズが生まれました。ピアノ、バンジョー、ドラムス、コントラバスなどのリズム・セクションにトランペット、トロンボーン、クラリネットといった編成が基本です。

スゥインギーで陽気、という点ではジャズのなかでも最右翼でしょうから、聴いてい
てこれほど楽しい音楽はありません。とくにアップテンポの曲は、始まるとすぐ、体が揺れてきます。バラードも、ディキシーランド風にアレンジされると、明るく楽しい曲になってしまいます。ディキシーランド・ジャズもバカにしたものではないなと、再認識させられました。