そこかしこに教会が建つ世界遺産の街・ヴィリニュス

 

2019年7月4日

朝、正規の街歩き観光の前、添乗員さんが「よかったらご一緒に少し散歩しませんか」という声をかけてくださり、一も二もなく参加。ホテルから歩いて15分ほどのところにあるマーケットまで行きます。夏とはいえ、朝7時を過ぎたばかりですから、少し肌寒い感じも。マーケットの中はまだそれほど人が来ておらず、ゆっくり見て回ることができました。新聞・雑誌を売っているコーナーをのぞくと、リトアニア語のものに混じってロシア語版もけっこうあることに気づき、驚きます。独立を回復してから30年近くたっているのに、ですね。

そこから、昼間は観光客で混雑するという「夜明けの門」に。祈りをささげる人が朝早くから訪れています。すぐ近くには「聖テレサ教会」「精霊教会」「聖三位【さんみ】一体教会」「聖カジミエル教会」など、名だたる教会がいくつも立ち並んでいました。私たちのホテルの真ん前には「ロシア正教教会」、裏手には「聖ヨハネ教会」……と、右を見ても左を見てもとにかく教会だらけ。尖【とが】ったアーチが特徴のゴシック様式ではないので、どれも皆まろやかな印象を与えます。

 

午前中は旧市街を本格的に歩きます。「旧市庁舎」を手始めに、再び「夜明けの門」、「ヴィリニュス大学」「ゲディミナス城」「王宮」「大聖堂」「大統領官邸」など、さほど広くもないエリアでしたが、見どころは多々あります。それにしても、教会の多さには驚くばかり。なにせ、大学の中にも教会があるのですから。

  

街歩きはさらに続きます。ヴィリニュスではごく珍しいゴシック様式で建てられている「聖アンナ教会」は息を呑むほど新鮮。その隣に建つ「ベルナルディン教会」のファサードがのっぺりしているので、その鋭角的なたたずまいがよけい強調されて見えます。

 

2つの教会の先に、都心とは思えない渓流が。そこに架かる橋を渡ると、なんとも不思議な空間がありました。その名も「ウジュピス共和国」。長らく橋が架けられていなかったため、古い時代の雰囲気がそのまま残っています。ジョークで「独立共和国」を名乗っているのが面白いですね。

食食後、旧市街からバスで40分ほど走ったところにある古都トゥラカイへ。長らく放置され荒廃していたのが整備された古城が湖に映える美しいところです。城があるのは湖に浮かぶ小島。そこに渡る木製の橋が情緒たっぷり。湖水もほとんど透明で、水鳥がのんびりと泳いでいました。

 

 

 

 

 

トゥラカイから戻ると夕食まで休憩。それでも休憩できないのが私。旅先でボーッとしていることなど、できないのです。そこで、夕方から私ひとりで、旧市街でも別のエリアを探検してみることに。ステポノ通りといういちばんにぎやかな通りを歩きました。アール・ヌーヴォーの建物がけっこう目につくのが印象的でした。これも、旧市街が世界遺産に指定されている所以でしょう。

ただ、どの都市もそうですが、石畳の道なので、長く歩くと疲れてきます。それを忘れさせてくれるのが、町を行き交う人たちの生き生きとした笑顔。さすが首都の目抜き通りといった感じがします。若い人たちは夢と希望にあふれているせいか、だれもがいい笑顔を見せていました。