今年初めての著作『アナログ主義の情報術』を上梓

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昨年は結局、『名古屋脳』の1点しか上梓できませんでした。それも3月ですから、それからもう1年以上がたっています。これはまずいよなぁ……。そんなことは百も承知、二百も合点なのですが、去年4月から1年間続いた、朝日新聞(東京版)の連載コラム「街見しゅらん」が、週1回だというのに、思っていた以上に重かったのです。でも、ようやく、今年の1点目をこのほど出すことができました。タイトルは『アナログ主義の情報術』といいます。

版元は、ご存じないかもしれませんが梧桐(ごとう)書院といい、ここのところ次々と意欲的な企画を出している出版社。編集長とは20年来の付き合いで、昨年秋、この企画を依頼され、4月初めにようやく脱稿したしだい。カバーはシンプルで、それをはずした表紙(カバーを外した本の本体)には、私自身の仕事場で撮影していただいた写真がアレンジされています。全体としてシンプルな中に上品さがただよっていて、大いに気に入っています。

さて、中身ですが、タイトルから想像がつくように、近ごろ世の中を席捲しているデジタル的な情報収集・処理より、アナログ的な手法のほうがはるかに生産性が高い、しかもこちらの頭も柔軟かつ新鮮な状態を保つことができるから、結局はお値打ちですよという、私の独断的な考えにもとづいています。

詳しくはお買い求めのうえお読みいただくとして、新聞の電子版(日本経済新聞)や電子書籍など、i-Padが発売されたこともあり、デジタルの情報媒体はこれから先、想像を絶するような発展を見せるにちがいありません。しかし、だからといって、そればかりに頼っていては、私のような仕事は立ち行かないでしょう。デジタルの価値を否定するわけではけっしてありませんし、その利点は利点としてフルに活用しながら、これから先も、アナログ主義に足場を置きながら活動を続けていくのがいちばんだと、あらためて自覚したしだいです。