クルーズ4日目で初めて見た太陽

2018年3月26日
ここのところ朝4時過ぎには目を覚ましてしまうのですが、キャビンの窓から外を見ると、雨も降っておらず、すっきりした朝が来そうな感じです。予想どおり、6時には空がうっすら赤くなり、太陽が見え始めます。船に乗って4日目、初めて見る太陽! これは素晴らしい1日になりそうです。

 

今日は午前0時45分にブリュニィスン、3時45分にサンネスショーエン、5時25分にネスフに停船し、朝食を終えた頃にオルネスに到着。じつはこの間に北極圏に突入していたのです。朝食のあと、8階の屋外デッキで「北極圏突入洗礼式」なるイベントがおこなわれ、今朝7時6分42秒に突入したことを知りました。突入時刻を当てるクイズがあったのですが、それにいちばん近かったのがインド人のカップル。船長からお祝いとして、背中に氷水を注ぎ込まれ皆大笑い。しかし、やはり北極圏突入となると、天候や風の具合にもよりますが、肌がチクチクします。

 

 

 

お昼前にボードーという町に到着。昼食後のひとときを利用して町に出ました。昨日はタクシーでトロンハイムの町中まで行ったのですが、今日はツアー一行で徒歩。人口4万数千の小さな町ですが、上陸前に飛行場があるのも見えましたし、サッカースタジアムも。小さいながらも工場群もあったようなので、ノルウェー国内でもそれなりに重要な位置を占めているのでしょう。

訪れたのは「大聖堂(ルーテル教会)」と図書館、「サーモンセンター」の3カ所。この町も第2次世界大戦でナチスドイツにこっぴどくやられたようで、「大聖堂」も破壊されてしまったといいます。戦後、1956年に再建されたそうですが、「ルーテル」という名のとおり、質素な造りの教会です。中のモザイク画は簡素ながらも色彩が素晴らしく、印象に残ります。すぐ近くには、こちらも外壁の黄色がなんとも美しい「ノールランド博物館」がありました。

そこから坂を下りたところがこの町のメインストリート。といっても100mほどの長さしかありません。港にいちばん近いところにあるコンサートホールと図書館は、完成して間もないとのことで、シンプルであか抜けしたデザイン。港に停泊していた小舟にはタラが干してありました。最後に訪れたサーモンセンターは、ユニークなサーモンのイラストをふんだんにほどこした建物で、ノルウェー水産業の主要品目であるサーモンの養殖をわかりやすく紹介しています。雪はあまり降らない代わりに風が強く、船までの帰り道、冷たい風に吹かれながら歩きました。

ここらあたりから船は、ロフォーテン諸島がある海域に入っていきます。クルーズが始まる前、添乗員さんは「世界でもっとも美しい場所の一つ」「アルプスの頂を海に浮かべたよう」などと話していたのですが、通過するのがちょうど夜の時間帯で暗いため、残念ながら、景色を楽しむことはできません。19時にその島の一つにあるスタムスン、さらに21時にはスヴォルヴァーという町に停船はしたものの、海岸の美しさを楽しむことはかないませんでした。とくに、ロフォーテン諸島の中でいちばん大きな町スヴォルヴァーには1時間停泊するので、100人ほどの乗客が下船し、おそらくは氷点下の気温の中、雪で凍りついた道を歩き、船から数分のところにあるお土産物屋というかコンビニというか、正体のよくわからない店に向かいます。入りきれずに外まで行列ができていたので、私はパス。船に戻ったときの温かさがひときわ身に沁みました。

本当なら、ここには昼間の明るい時間帯に寄港し、島内をバスで回ったりしてみたいところ(どこを走ってもその景色は息を呑むほど美しいそうです)。皆さん、そうした残念な気持ちでいたのかもしれません。