私立の動物園は経営が大変そう

2018年12月4日
広島から岡山までは30分少々。西日本の動物園訪問・第3弾は岡山の池田動物園です。名前から想像がつくように、ここは江戸時代この地を治めていた池田氏の私立動物園。駅からタクシーで10分足らず、住宅街の中にあります。敷地は小高い丘(京山)のふもとにあり、園内はけっこうアップダウンが。それもそのはず、もともとは牧場だったようです。

wikipediaによれば、「元岡山藩主池田詮政【のりまさ】の孫池田隆政と昭和天皇の第四皇女池田厚子夫妻により1953年月に設立され、その後動植物園を経て60年に現在の池田動物園となった」 と。そうした背景もあってでしょう、この動物園には、牧場の時代も含め、昭和天皇・皇后両陛下が2度もご訪問されているようです。

ただ、昨年ベンガルトラが亡くなったのに続き、今年もホワイトタイガー、エゾヒグマが亡くなっており、どこかうらさびしい感じすらただよっていました。もちろん、平日なので仕方ないのですが、私立の動物園というのは経営が大変なのでしょう。園内にちょっと立派な家が建っているので何かと思ってみたら、園長のご自宅。園内マップにも「えんちょうさんのおうち」と書かれています。いかにも「私立」といった感じがします。

いま動物園は、世界中どこでも、動物の維持に苦心しているようです。とくに日本は、世界的に見ても動物園の数が多く、しかもほとんどが公立、つまり地方自治体が経営主体になっています。少子化で人口が減り税収入もままならない中、動物園を維持・管理していくのは大きな負担のようで、皆頭を抱えているのではないでしょうか。

ここ池田動物園もスポンサーになっている地元企業が数十社あるようですが、それでも苦しい経営状況がありありと感じられました。ほとんどの動物が単体、1頭きりなので、さびしい印象はまぬかれません。山の上のほうにいるライオンもかなり年齢が行っており、毛がパサパサでボサボサ。人間に例えるなら1カ月髪を洗っていないような感じです。レッサーパンダも同じく1頭きりでさびしさがありあり。ただ、ニホンシカが山の中腹、ほかより10メートルほど高い場所にいたのが印象的でした。